新型コロナウイルス感染症は、観光業や飲食業、イベント等に甚大な影響をもたらしています。この状況はしばらく続くと予想されているため、ビジネスをどのように変えていくべきか、悩まれている人が多いと思います。
そこで、飲食業を裏方として支えている厨房業界より、具体策を頂きました。*写真は2020年2月厨房設備機器展の時の写真です。
・フクシマガリレイ 藤本博司さま
カクテルのテイクアウトは、真空脱気包装機「シュットマン」
カクテルの販売には酒造免許が必要ですが ミックスを伴わない詰め替えであれば「詰替え届け」を出すことによって酒造免許がなくてもカクテルのテイクアウトが可能です。
酒類材料別にボトリング、又は真空パックでセット販売します。
例えば、ジン、カンパリ、ベルモット各100mlを瓶詰めして、オレンジピールと一緒に「ネグローニセット」として販売すれば、自宅でもお店と同じカクテルを楽しむことができます。
*詰め替え時はラベルを必ず付けてください。
生ビールなど、アルコールのテイクアウト量り売り(ペットボトル詰め)は、NPM社 PEGAS(ぺガス)システムが便利です。
大阪の樽生クラフトビール専門店「イエローエイプクラフト」で使っているそうで、先日ニュースでも報道されました。
期限付きの料飲店等期限付酒類小売業免許は全国14,000件以上の申請があったそうです
HACCP制度化による現場負担を削減するために、工程を継続的に監視・記録できる『HACCP ExAround』、食品の中心温度や検品時の温度管理には『HACCP Extender』 が便利です。
*HACCP制度化について
食品衛生法の改正により、2020年6月から HACCPの導入が制度化されます。原材料から最終製品に至るまでの工程ごとに 危害要因を排除させる管理手順が定められています。毎日行っている衛生管理に HACCP手法を取り入れ、継続的に監視や記録をすることで、食品のさらなる安全性の向上を図ることができます。
・フジマックより、清掃性、食中毒予防、消毒にも使える厨房機器についてご紹介頂きました。
<清掃性に優れた什器・備品>
次亜塩素酸での消毒が可能で、国際的な食品衛生上の安全基準「NSF規格」に適合したシェルフシステムです。
<食中毒予防。菌の増殖を抑える機器>
デリバリー用に最適。フジマックの真空包装機はシール部分で袋を切断出来るような仕組みです。
液が袋の耳の部分に付かないため、
雑菌が繁殖しにくいうえに、余分な部分がヒラヒラしないので、見栄えが良いと評判です!ネット通販サイトでも購入可能。
③急速冷却 ブラストチラー
飲食店のテイクアウトで、加熱調理した食品をそのまま店頭販売しているお店は多いのですが、細菌が増殖しやすい危険な温度帯(20℃~50℃)で長時間置いておくと、食中毒の原因になります。テイクアウト商品は、ブラストチラーで急速冷却して、菌の増殖を抑制することが必要です。
<調理だけではなく、消毒にも使える機器>
④コンビオーブン(スチコン)
厚生労働省のコロナ対策は、80℃の熱水に10分間さらすと消毒できると書かれています。コンビオーブンは1度単位で温度と時間が設定できるので、厨房内で使用するトレーなどの備品消毒にも活用できます。
(参考)
厚生労働省「新型コロナウイルス対策 身のまわりを 清潔にしましょう」
・Halton町井義生社長より、情報を頂きました。
レストラン、宴会場、ダイニングなどの空気清浄に最適な装置があります。大容量の移動式空気清浄機(WHO推奨品)Halton Vita Cell Room (VCR)です。
医療現場のために設計されていますが、大勢が集まる結婚式場などの宴会場などでも利用もできるそうです。
換気空調システムの世界的なメーカーHalton。WHO推奨品なので、お客様にもご説明しやすい空気清浄機です。
・株式会社コメットカトウ ソリューション課 課長 井川俊正さんにお話を伺いました。
緊急事態宣言が解除された地域では、徐々に飲食店へ客足が戻ってきています。
しかし、店内での飲食は、お客さまが心理的に許容できるようになるまで、まだしばらく時間がかかりそうです。そのため、飲食店は売り上げを確保するために、客席での食事と、テイクアウトの両輪で事業継続をしなければならなくなるでしょう。
そこで、加熱後の品質を保てる急速冷却機ブラストチラー、中心温度管理が出来るスチコン、殺菌洗浄が行える電解水生成装置が注目の厨房機器となっています。
しかし、いずれの機器も高コストで手元資金が限られた店舗が導入するにはハードルが高い商品です。
そこで、私の考える一つの到達点は
「調理工程が見える」が今後のトレンドになってくると思います。
今までもオープンキッチンで「厨房が見える」というトレンドはありましたが、YouTube等により映像に肥えたお客様は「もっと近くで見たい」という欲求は高まっている筈です。
プロの技・プロの調理機器を近くで見たい欲求です。
そして、テイクアウト商品の安全性訴求にも調理工程の見える化は欠かせません。
Webカメラを使った「調理工程のライブ配信」やスマートフォンを使った「Instagram動画配信」が飲食店にとって、他店と差別化するツールになるのではないでしょうか?費用もそれほどかかりません。
また、以前よりも増して「価格を上回る価値を出す店」が生き残り、「品質や価格が中途半端な店」は淘汰されるでしょう。
そのため「調理工程の見える化」が進むと、次は「どう魅せるか」競争が始まります。
従来のガスレンジやフライヤー、ましてやスチコン等では調理を魅せようとしてもシズル感が訴求しにくいので、限界があります。
お客様が要求する魅せる調理とは、
シェフが焼く肉が直火で焼かれていて、
食材に炎がまとわって、激しく水蒸気が出ている
というイメージです。
それらを実現できる機器が、コロナ以降のトレンドになると予想しています。
つまり、チャーブロイラー、中華レンジ、グリラー、グリドルなどの専用調理器です。
直火で焼けたグローボールが炭火焼きの効果を発揮し、焼き目も美味しい、本格的な味わいを演出します。
強力な火力で、中華料理専用に開発された中華レンジ
シェフが力強く料理を作る姿は、圧倒的なパワーを感じます。
極めて高い火力で食材に熱を短時間で加えます。
最近、フレンチシェフでもカウンター目の前の鉄板で調理してシズル感を演出し、人気のお店があります。
コメットカトウさんでは
5月27日より毎週水曜日に10回に渡ってYouTubeでスチコンセミナーをライブ配信します。
また、昨年より取説、機器のPRに動画というツールを使い始めてきましたが今年は更に多くの動画を作成して配信する予定です。ご期待ください!