2020年6月、コロナ明けの久しぶりの会食は、元ホテルオークラ根岸総料理長と、名美さんのお誕生日会でした。アスコット会はいつもは50名程度で会食をしていますが、今回は人数を絞って11名でした。コロナの感染リスクを下げるため、今後は小規模開催になりそうです。

石原総料理長が作られた素晴らしいお料理と鈴木ソムリエが厳選したワイン、そして東京ステーションホテルのサーヴィス方法を合わせてご紹介します。

約４ヶ月ぶりに、ディナーでフレンチのフルコースを頂きました。レストランレポートです。

東京ステーションホテル　レストラン　ブラン　ルージュ

総料理長　石原 雅弘総料理長が元グランシェフ４人のために作った玄人向けのフルコースです。お料理に合わせて、鈴木ソムリエが厳選したワインを合わせてご紹介します。

Menu

■ Amuse-bouche

石原総料理長からの始まりの一品は、フグのゼリー寄せとテリーヌ。前菜テリーヌはフランスの定番ですが、夏らしい和の食材「フグ」のゼリー寄せを添えた一品が素敵でした。

○ 岩の原スパークリングワイン 

ブラン・ド・ブラン ローズ・シオター 750ml　4,400円（税込）

SPARKLING WINE BLANC DE BLANCS ROSE-CIOTAT (WHITE)　

新潟上越市「岩の原ワイン」がシャンパンと同じ製法で、ローズシオターという品種で作っているスパークリングワイン。いちごのような甘い香りで、味はすっきりとして夏の前菜によく合います。岩の原葡萄園は130周年の歴史があるワイナリー。ぶどう品種「ローズ・シオター」は、岩の原ワイン創業者の川上善兵衛が1927年（昭和2年）「ベーリー♀」×「シャスラー・シオター♂」を交雑し作られた品種です。

■ Shrinks appetizer <three kinds of taste>

もさ海老、本海老、がさ海老＜三種の味わい＞

左側からは「もさ海老」（島根）「がざ海老」（越前、福井）は生食、「本海老」はガレット仕立てでレモンで、調理方法の違いも楽しめる一皿に。

流通の少ない食材を、わざわざ漁港の卸に直接依頼して取り寄せているそうです。購買担当の鶴さんでなければ仕入れるのは難しい食材ばかりです。おいしい料理は料理人だけで作れるものではありません。

○ 白ワイン

菱山甲州　白　辛口　菱山中央醸造　720ml 2420円（税込）

ラベルの貼っていない「ヌーディストボトル」の白ワインが出てきました！

よく見ると、注ぎ口の近くに表示が書いてあります。ユニークです！

香りが豊かで、海老の甘みと合う白ワインでした。辛口、甲州ぶどうしか使っていないそうです。

おじいちゃんが作っているワインで、商売っけがなくて、山梨では一升瓶で売っていたそうです。現在は、ECサイトでも購入できる商品ですが、ステーションホテルでは購買担当の鶴さんが直接交渉して、60本買ってしまったとのこと。でも、すぐになくなってしまうそうです。

■ Double consommé jelly and mousse of green beans

ダブルコンソメジュレと山形だだ茶豆のムース

ホテルでも、こんな贅沢な食事会の時しか味わえないダブルコンソメ。手間がかかりすぎるので、分かる人にしか出せない料理の一つ。
やさしい味わいで、身体の中にスーッと溶け込んでいきます。濃厚なだだ茶豆のムースと合わせているのが石原シェフらしいです。盛り付け、色使いが優雅な前菜でした。

■ Roasted red bream, Provence style

金目鯛のロティ　プロヴァンス風

高知県室戸「金目鯛」はきれいな赤色と金色の目、身は脂がのっていて、人気の魚です。

添えられている夏野菜はズッキーニの他に、甘酸っぱいオリーブの実です。やさしい味食感の金目鯛に、酸味のある野菜のアクセントが美味しかったです。ソースは甘めで、ガーリックトーストが添えられていました。

○ 赤ワイン 

ブルゴーニュ地方ピノ・ノワール「ドメーヌ・ピエール・ダモワ　ジュヴレ　シャンベルタン　2013年」13,625円

2013 Olivier Jouan Charmes-Chambertin Grand Cru Vieilles Vignes, Cote de Nuits, France　

■ Roasted and stewed pintade, with mushroom flavored sauce

フランス産ホロホロ鳥のロティとフリカッセ　モリーユ茸風味ソース

アスパラの新鮮でフレッシュな香りと、ホロホロ鳥がよく合います。

違う部位の味比べができるように盛り付けられていて、しっとりとした「胸肉」が美味しくて、驚きました。フランス産は歩かせているので、日本産と違って、もも肉は筋肉質パサついています。ホロホロ鳥を食べるなら、断然「胸肉」です。覚えておきましょう！

■ Tometo capellini

こだわりトマトの冷製カッペリーニ

北海道、シシリアンルージュのトマトジュースを使用しています。北海道当麻町のオーガニック （有機JAS 認証）トマトを使用しています。カラフルなトマトは石巻産です。

○ 日本酒

グラッパグラスに注がれたのは

東京港醸造の純米吟醸原酒江戸開城　All Edo　3,300円

原料や製造に関わる全ての要素を江戸「東京」にこだわり醸した東京港醸造最新の日本酒。東京産のキヌヒカリを東京の水・yedo酵母を使用した「All Edo」は、トマトの酸味によく合いました。

■ Summer special dessert

初夏のスペシャルデザート

パティシエさんが、お二人のために特別なバースデーケーキを作ってくださいました。ふわふわのスポンジが美味しくて、10cmくらいある大きなピースを食べてしまいました。

■ Coffe and petit four

コーヒーと小菓子

日本産ワインのレベルの高さや、和の食材とのバランスがとても良いことを再発見した夜でした。

フランス料理は敷居が高いと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、シェフやソムリエが作り出す、芸術作品は、素晴らしい景色を楽しめる旅のような感動があります。

私と一緒に「フレンチを食べてみたい！」と思ってくださる人が増えたら嬉しいです。