寒くなってきたこの時期、なかなかお湯が出ないと感じている方は、リモコンで給湯温度を上げてみてください。60℃が高温で心配なら、5℃程度上げるだけでも、全然違いますよ。
20代の頃、約5年間、商品開発部の給湯(シャワー)担当で性能評価のため、様々な条件での、お湯の使い勝手を計測&分析していました。その時の経験からお話させていただきます。
一戸建てでも、壁面真後ろに給湯器でなければ、配管延長が2m〜5mくらいはあるので、10秒以上お湯がでるまで時間がかかります。手洗いなら、お湯になる前に使い終わってしまうくらいです。
ご自宅のシャワーが単水栓なら設定温度40℃のままで良いと思いますが、最近はサーモスタット水栓が付いているのが普通。この水栓は構造上、給湯温度を60℃、水栓を40℃に設定すれば、他の場所で水を使って水圧が下がっても、湯温が変動しにくいのです。(ときどき、シャワーを使っていて、水になってしまう現象です)
台所でレバー水栓なら、まん中で操作するとき、ちょうど40℃くらいのお湯がでるようになっています。食器やお鍋の汚れを落とすなら、タンパク質を分解できる60℃くらいの熱いお湯が便利ですよ。60℃は一瞬触ってもヤケドをしないので、家庭用では最高温度となっています。(ちなみに、業務用は75℃以上。高温洗浄はノロウイルス対策にも効果があります。)
①快適:湯温変動が少ない
シャワーのお湯が突然水になる現象、経験したことありませんか?それは、他の場所で水を使うから、給湯器の中で水が混ざってしまうのです。しかし、給湯器を60℃設定にして、シャワー水栓を40℃設定にすれば、給湯器から出てくるお湯の温度が変動しても、水栓がすばやく設定温度にしてくれるので、水になったりしません。
②衛生的:食器洗いの際、最後に布巾を使わず、自然乾燥できれば衛生的です。レストランや、病院、学校などでは90℃以上のお湯ですすぎを行って、食器消毒保管庫に入れて、乾燥しています。ご家庭では、食器洗浄機を60℃のお湯ですすぎを行い、布巾では拭かずに、自然乾燥させるのが衛生的です。
③操作性:シャワーや台所の水栓は60℃のお湯と15℃の水が混ざったときに、適温(38℃〜43℃程度)になるような構造になっています。給湯器を42℃設定にしても、サーモスタット付水栓や、シングルレバー水栓で調節すると、水が必ず混ざる構造になっているので、低い温度になってしまいます。
ちなみに、我が家は息子が小さいときから60℃設定ですが、ヤケドは一度もありません。熱いと思ったら、すぐに手を引っ込めれば全く問題無い温度なのです。
給湯器のリモコン60℃設定、ぜひ今日から試してみてくださいね。