昭和40年代、家庭料理の定番が洋食に変わり始めた頃、オムライス、ナポリタン等のメニューに欠かせないトマトケチャップは、どこの家庭にもある調味料になりました。
その頃、祖母の千田 治子は日本料理を教えていて、あるとき「フキの梅煮」に加えたら、とても美味しい事を発見。それ以来、ケチャップ入りの「フキの梅煮」は我が家の春の定番メニューになりました。
昨日は無農薬で野菜を育てている農家さんを訪問。軒先に生えていたフキを頂いたので、朝食を作りながら、夕食のお惣菜として作ってみました。
フキの皮剥きは、面倒と思われている方が多いと思いますが、一度塩茹でしてからですと、とても簡単です!
採れたてのフキは香りが良くて、とても美味しいので、お試しくださいね!
「フキの梅煮」
【材料】
フキ:1束、梅干し:5個
【調味料】
出汁:1カップ、砂糖:小さじ5、醤油:大さじ1、酒:大さじ5
ケチャップ:大さじ3
【手順】
- フキは塩茹で(軽く火が通る30秒程度)し、水でよくさらした後、皮を剥く。3~4cm の食べやすい長さに切る。
- 小鍋にフキ、ケチャップ以外の調味料、梅干しを入れて煮る。
- 煮立ったら、トマトケチャップを入れる。
- アクを取り、軟らかくなった梅干しをほぐしながら、汁が無くなるまで煮詰める。
このお料理、ケチャップが入っている言われないと、気付かれません。
でも、うっかりケチャップ無しで煮込んだ「フキの梅煮」を食べると、あまりの味気なさに、あれ?何か足りない・・・。
とっても不思議で、ケチャップを入れると、手が止まらないくらい美味しくなります。酸味と旨味を持つ濃厚な味わいに仕上げてくれる隠し味。和食にケチャップなんて?!とお思いかもしれませんが、お試しくださいね。
当時、中国料理の巨匠陳建民さんが、エビチリにケチャップを使い、家庭でも簡単に作れる事を紹介していたそうです。ケチャップを洋食以外の家庭料理に使うことが流行っていたのかもしれませんね。
フキはキク科フキ属の植物で、北から南まで日本全国で野生し、数少ない日本原産の野菜の一つと言われています。
最近注目されているのは、苦みや香り、アクの成分のファイトケミカル。動脈硬化やがん、アレルギー症状などを引き起こすといわれる活性酸素を除去する「抗酸化作用」が注目されています。