採りたてのヨーロッパ野菜を食べたことありますか?
フェンネル(フヌイユ)や、プンタレッラ、ゴルゴ(ビーツ)、カリフローレ
この季節、さいたま市の畑ではたくさんのヨーロッパ野菜が収穫時期を迎えます。
さいたまヨーロッパ野菜を食べた事のない方からは、
「野菜なんて、どこでも同じでしょ。わざわざヨーロッパの野菜なんて作る必要ないのに。」
「輸入品で十分美味しい」とおっしゃる方もいますが、
それは鮮度の良いヨーロッパ野菜、旬野菜の価値を知らないから。
フェンネルの白い球根部分は、採りたては香りが爽やかで、水々しく、シャキッとした歯ごたえが最高です。
写真はさいたまヨーロッパ野菜を販売している関東食糧 野上さんと、小澤さんの畑で採りたてのフェンネル
多くのイタリアン、フレンチシェフにご評価いただいており、先日は小田急センチュリートライベックス
の石川シェフにお土産で持参したら、
「見た瞬間、美味しそうだったので、早速作ってみました。香りがあって立派なお野菜ですね!」
と特別にフェンネルのお料理を作ってくださいました。(写真右)
ヨーロッパ野菜研究会は2013年から活動をスタート、現在5年目で、50種類以上の野菜を埼玉県内、都内を中心に販売しています。
そして、さいたまヨーロッパ野菜を作るメンバーをまとめているのが、農業法人フェンネルの代表小澤さん。
代々、農業を家業としてきましたが、20代は他の仕事を経験し、30歳から農業をスタート。父親から野菜の作り方を習い、覚えたそうです。
さいたま市「見沼田んぼ」と言われる広大な農地は川が流れており、豊富な水源があるので500年以上前から、稲作、小松菜、くわい、ネギを作っていました。しかし、一般的に都市近郊農業は、地方の広大な面積で作る野菜より生産効率が低く、苦労をしています。
そんな時、さいたま市のイタリアンレストランから、ヨーロッパ野菜を地元で作って欲しいとの依頼がありました。地元のトキタ種苗さんがイタリアから種を仕入れて、試しに撒いてみたところ、美味しい野菜が作れる品種がある事がわかります。若い農家さん達はやりたいと言いましたが、皆父親に反対されたと言います。
そこで1年目は試作、2年目は販売ベースに乗るか収益性の確認、そして3年目に商品化。という着実なPDCAを行い、周囲を説得。チームワークで長年作ってきた野菜と全く違う品種にチャレンジし、お客さまのニーズをお聞きしながら、ビジネスとして確実な手応えを感じるようになってきています。
お話を伺っていると、ヨーロッパ野菜は一株から、長期で収穫できる収益性の高い野菜がある事から、年間計画を立てて50種類の野菜を育てる事で、毎月、安定した収入を得る事ができるそうです。
手間は野菜によって異なりますので、各自メインで育てている在来品種と収穫時期の違うものを選び、グループで種まき時期・収穫時期を少しずつずらしていく事で、安定した供給ができるようにしています。
ビーツやにんじんなど、私がフランスやオーストラリアで食べたヨーロッパ野菜より、かなり甘くて美味しい日本人好みの味になっています。土中の栄養・水分が豊富で、太陽の恵みををたくさん浴びているからかもしれません。
都内から60分圏内で、新しい事にチャレンジしている若い農家さんのやる気を応援して頂けたら嬉しいです。