東京都の離島といえば、大島、三宅島、八丈島が有名ですが、八丈島からさらにヘリコプターで20分(船は2時間半)かけていく「青ヶ島」はご存知ですか
天候が悪いとヘリコプターが飛ばないので、時間に余裕のある人でないと、なかなか行くことができない島です。ここは東京都ですが、住民は160人ぐらいで日本一人口が少ない村、住所は無番地、という、全員知り合いみたいなところです。
そんな離島で作られている焼酎が「青酎」です。
食用に作って余ったサツマイモや麦で、島のお母さん達が夫のために作っていた島酒で、麦麹の芋焼酎、全部麦の麦焼酎があります。麦麹は大麦を使いますが、製麴は屋外が基本。管理が難しいはずなのに、屋外で育つ強い麦麹だそうで、製法を聞いたお酒に詳しい人から、信じられない!の声が上がります。通常は温湿度管理された室内が基本です。 さらに、地元でたくさん採れるオオタニワタリの葉っぱを被せて作ります。そんな大自然の中で育まれた麹菌で作られるお酒なので、作り手によって味が変わります。現在杜氏は10名で、14種類の焼酎が作られています。 青ヶ島が焼酎を作るようになったのは、鹿児島人が八丈島へ島流しになって、製法を伝えたからだそうです。緯度的にも、鹿児島とほぼ同じのこの地域は、サツマイモ、麦、焼酎を作るのに適した気候で、食材は揃っています。でも、鹿児島の焼酎とは全く別物の青酎、沖縄の泡盛よりは飲みやすく、お酒が好きな方はハマる人が多いというのも納得です。 私は好きなお酒と聞かれると、お料理に合わせて(笑)と答えるのですが、ご先祖様は、鹿児島や、島の人だったり…なので、焼酎は身体に合うようです!
「かごんま食べる通信」からご縁をいただき、奄美大島へ行ったのは昨年の秋、そのご縁から離島経済新聞社(ritokei)が主催する「青酎」を飲む機会にお誘いいただき、アルコール度数が30度以上という強いお酒を、12種類も飲み比べるというイベントに、ちょこちょこ参加させて頂いています。そもそも、こんな強いお酒を飲み比べできる人は周りには少なく、集まる方々は相当な酒豪ばかり。
先日も青酎を飲み比べ会に参加したのですが、鰹の塩漬けやホヤの塩辛など、クセのあるおつまみや料理と相性がよく、料理と青酎の個性を確かめながら、研究会のような会になりました。普通の料理より、島の料理が合うのでは?と料理研究家のいこまゆきこ先生に作って頂いた沖縄料理のナーベラーンブシーや、ゴーヤーチャンプルー、ラフテーなどはとっても良く合いましたし、意外と美味しかったのが、ナマズフィレ。キャットフィッシュと言われていますが、猫には似てないと思います。白味魚でクセもなくて美味しいです。
今回、鹿屋市串良町の牧原さんが育てている養殖のナマズフィレ(日本なまず生産株式会社)に、奄美大島のパッションフルーツを合わせてカルパッチョで頂きましたが、なんと見た目も豪華で美味しいこと!
「青酎」と高級な南国の白味魚は相性も抜群で「新東京名物」にならないかしら。と密かに思っています。ご協力いただける飲食店の皆さま、生産者をご紹介しますので、私にご連絡くださいね。 ちなみに、青酎は伊勢丹新宿店で購入できます。東京の島で作られる希少なお酒として、海外の方への手土産などにも最適です。
すっかり離島の魅力にハマっているこの頃で、運も必要と言われている青ヶ島へ、この秋訪問チャレンジをする予定です。