有名フレンチシェフのお店で、前菜が盛り付けられた柔らかな温かみのあるガラス製食器に見惚れたことがありました。国産のハンドメイド食器で、スガハラガラスさんの作品です。知り合いで何人ものシェフが愛用しているのを知り、私自身もつい欲しくなってしまい、表参道のショップで購入したこともありました。
でもまさか、この有名な国産ブランド食器を作っているのが、立教大学の同級生だったとは!
今回の企画は、校友会企画委員メンバーの東園さん(応援団のマドンナで、とても綺麗な同級生)のご紹介です。彼女のお友達、スガハラガラスさんに作っていただくことになり、打ち合わせと取材で九十九里にある工房を訪ねました。
2020年1月、校友会事務局の安藤さん、飯塚さんが作ってくれた「旅のしおり」を持参し電車でGO!ファッションリーダーとして大人気のスタイリスト大草直子さん、そして大草さんの事務所の鈴木さんも一緒の楽しい旅になりました。もちろん校友会企画なので、全員、立教大学卒です。同じ大学を出たというだけですが、初めてでも意気投合!年齢を重ねてからの校友会活動は、サークルみたいです。素敵な方と新しいご縁が広がっていくのが、魅力です。
10時に東京駅を出発して、11時過ぎには工房へ到着。東京を出るときは、とても寒い日だったの厚手のダウンをしっかり羽織っていたのですが、房総半島は穏やかな小春日和で快晴!コートがいらないくらい気持ちの良い日でした。
敷地内には工房、ギャラリーの他に、テラスのあるおしゃれなカフェがあり、工房を訪ねてくださるファンの方を大切にしているスガハラさん。
カフェの器は全て商品で、実際に使ってみると、色や形で随分と印象が違うことがよく分かります。ギャラリーで購入する前にお食事をすると、見ているだけでは分からない、ガラス食器の奥深さや、選ぶポイントがよく分かりますよ!色鮮やかな野菜中心のランチセットで、会話も弾み、楽しいランチタイムになりました。
Sghrランチセット 1500円(税込)
自家製ドレッシングのサラダと、ピクルス、キャロットラペの盛り合わせプレート、本日のスープ。チーズや具材を入れて焼き上げたケーク・サレと本日のお肉料理。
工房見学では、職人さんが作っている様子を見ながら、菅原社長からお話を伺いました。ガラス食器は一人で全ての工程を作ることはできないそうで、食器が完成するまでの間に、何人もの職人さんの手を渡っていきます。誰も一言も話をしないのですが、阿吽の呼吸で、流れ作業が進みます。
中央には、ガラスを溶かすためのるつぼがあり、溶解温度の約1200℃~1400℃前後の赤い溶けたガラスが遠くからでも見えました。釜の中から、真っ赤に溶けたガラスを棒ですくって、吹いて形を作ります。ガラスは重さを測れないので、同じサイズになるように同量の溶けたガラスをすくい出すのは熟練の技。グラスやお皿など、形状に合わせて、型が用意されていて、ほぼ同じ形になる様に職人さんは同じ作業を繰り返していきます。
工房には女性の職人さんがたくさん働いていました。ガラス工房はとても暑いので、労働環境が厳しく世界的にも男性ばかりになるそうですが、働きやすい環境を整えてあげることで、子育てと両立している方もいらっしゃるそうです。
また、職人さん個人の作品をギャラリーに展示して販売するなど、一人のアーティストとして大切に育てていました。非常に厳しい環境で働いてもらっている職人さんのモチベーションを維持できるよう、作品発表の場を作ったり、休み時間でも自由に工房を使えるようにしているのだそうです。
やはり良いブランドを作るには、良い人を育てられるかで決まりますね。ガラス工芸は一人前になるまで10年、そこからようやく作品を作れるようになるのですが、年配の職人さん曰く、何年やっても面白いのだそうです。最長年齢は70歳。50年以上、毎日ガラス工芸をされているそうで、その作品には力強さと優しさが調和していました。
菅原裕輔さんは3代目の社長さん。お父様から引き継いだバトンをさらに進化させ、一流の料理人や料理研究家から愛される食器ブランドとして不動の地位を作られました。「Sghrスガハラショップ」は日本全国に8店舗。スガハラショップ青山(表参道)が有名で、午後こちらのお店に行くと、菅原ご夫妻に会えるかもしれません。銀座松屋や阪急うめだ本店内にもショップがあります。
工房見学や、ガラス製作体験教室はインターネットで申し込みすれば、参加することができます。ガラスを吹いたり、伸ばしたりする作業は体験もできるそうなので、夏休みのお子さんの自由研究や、お友達との楽しい思い出にいかがでしょうか。
現在制作中の校友会グッズは3月に発売開始予定です!動画も撮影したので、お楽しみに。