新宿駅西口、東京名物が食べられる居酒屋「青ヶ島屋」へ行って来ました。
冬の寒い夜、食べログには50席と書いてあり、それなりに大きなお店と思って、探してウロウロとしたのですが、見つかりません。歌舞伎町や新宿駅南口の喧騒とは別世界、同じ新宿駅なのに、こんなに人が少なくて大丈夫かしら?と思いながら、スマホを片手に、お店を探してウロウロ5分。
ようやく見つけた雑居ビル入口には「青ヶ島屋 2F奥 青酎¥680」と手書きで書かれた小さな自立型看板がありました。
知人から12種類の青酎を飲みたいなら、青ヶ島屋さんへ行くように言われて来たものの、自立式の小さな手書き風看板を見て、本当にここのお店に入って良いものか、一瞬ひるんでしまうような佇まい(笑)雑居ビルの階段はとても暗く、廊下にはダンボール箱まで置いてあり、客を迎えるような雰囲気は感じられなかったのですが、廊下の突き当たりの扉を開けると…
可愛らしい20代女性と、優しい笑顔のオーナーがお出迎え。
ああ〜!納得。
これが「青ヶ島屋」の魅力です。東京喧騒から扉一つ入ると、島国の穏やかで明るい雰囲気、そして青酎パラダイス。都会の喧騒から、青ヶ島へ旅をしたような感覚にさせてくれる、魅惑の居酒屋さんでした。
まず席に座って、青酎の炭酸割りからスタート。
ワインや日本酒好きの方の中には、アルコールを炭酸で割る事は、生産者に対して失礼だと思っている方もいるかもしれませんが、焼酎は炭酸、水、お湯などで割って頂く飲み物です。ストレートでは飲みにくいと思っていらっしゃる方は、青ヶ島屋さんはお料理や焼酎に合わせて、様々な飲み方を教えてくれるお店なので、焼酎初心者さんでも楽しめます。
青酎は青ヶ島在住の12人の杜氏さんが作っていて、同じ「青酎」という名前で売られています。メニュー表には顔写真入りの解説があり、読みながら、番号を選んで注文します。元々は青ヶ島の女性たちが夫のために庭先で作っていた「家の酒」が青酎なのです。それぞれ守って来た家の味が違うから、似ているようで、どれも少しずつ香りが違い、その違いを確認するのが楽しくて、お酒が進んでしまいました。今回はお店にあった9種を飲み比べです。
「次は2番青酎古酒をロックで、その後は6番奥山直子をお湯割!」
「ちょっと飲みすぎたかな、一呼吸入れたいので、次は1番池の沢の前割りで!レモンもお願いします。」
カウンター越しに店主と会話しながら、島唐辛子入り真あじのなめろう(580円)、八丈島くさやと酒盗のおつまみピザ(ハーフ880円)、島魚のアラ唐ポン酢(300円)など、青酎に合う料理を注文。トップ写真の名物自家製チキンナゲット(780円)はふわふわ〜。そしてシメは島寿司です。ワサビではなく辛子を使ったお寿司と、海苔の佃煮が青酎の香りと口の中でお互いに引き立て合います。焼酎は味を壊さないので、料理の味をしっかりと感じることができました。
青酎は独特の魅惑的な香りがします。封を切ったばかりの青酎をグラスに注ぐと、瓶の内側に油脂分がリングのように残ります。一般的な焼酎の作り手さんは、この油脂分を濾過して除去するそうですが、青酎はこのアロマを残す事で、熱帯雨林を感じさせる高貴な香りを引き出しています。お酒が弱い方は炭酸割りでも十分に感じることができます。東京島酒と青ヶ島の食文化を、新宿駅近くで楽しめるお店があったとは、新しい発見でした!
青ヶ島屋
住所:東京都新宿区西新宿7−15−15東宝観光ビル 2F
電話番号:03-6908-9723
営業時間:月曜〜土曜11:00〜14:00、 17:00〜0:00 、日曜定休
カウンター6、テーブル20、3階は座敷があります。平日でも満席の事がありますので、要予約です。
今年は東京オリンピックが開催されるので、東京の食に注目が集まっています。江戸東京野菜や豚肉(TOKYO-X)、佃煮などと一緒に、青酎(あおちゅう)も東京名物として東京都さんが絶賛プロモーション中です。詳しくは下記のホームページをご覧ください。