幕張メッセで開催されたHCJ2020 国際ホテルレストランショー、フードケータリングショー、厨房設備機器展2020の報告です。4日間会場でラムバサダーとしてオージー・ラムのPR活動を行ったり、クライアント企業の方々と打ち合わせや展示会の視察に同行しました。
写真はフクシマガリレイ(旧社名:福島工業)ブースの山下春幸シェフ調理実演を、鈴木房雄シェフと一緒に見学させて頂いたときの記念です。
みなさんマスクをしているので、知っている顔も見過ごしてしまいそうですが、例年と違って、本気で情報収集したいと思っている人が多く、飲食・宿泊業は景気が良いと感じました。
私は下記の情報を中心に集めていました。
・美食を作る厨房機器の新商品の技術レベルの確認
・HACCP制度化に向けて、各社がどのような対応をされているのかをチェック。
・外食チェーンや宿泊特化型ホテルのスタッフ人数減に対応できる機器や加工食材、提供方法の情報収集。
・ホテル・飲食業向けIoT、AIシステムの開発状況を確認。
そして、セミナーをいくつか聴講しました。その中の一つをご紹介します。
観光庁 観光産業課 課長 多田 浩人さんの「観光立国に向けて~宿泊業に関する観光庁の取組について~ 」では、今後の人口減で日本経済が縮小することを、プラスに変換するのが観光業だと力強いお話がありました。
世界で見たとき、国際観光市場は右肩上がりで増加しており、長期予測を2年前倒しで2018年に14億人に到達します。特に、アジア太平洋エリアの伸び率が高いことも日本が今後、観光業で大きな経済効果が得られることを裏付けています。
インバウンドの増加によって、実は観光そのものではなく、関連分野でプラスの影響が出ているそうです。設備投資が増え、新しい宿泊施設が増えていたり、人気の化粧品などの工場が新しく増え、建設投資、設備投資がなされています。これが、日本の経済成長を支えている重要なファクターになっているのです。
しかし、今回のコロナウィルスなど、何か大きな事件が発生すると大きなダメージを受けるだけではなく、他の産業と比べて、生産性が低いことが課題です。
宿泊産業の就業者は60代以上の高齢者が3割を占めており、この層の退職による大幅な就業者数の減少が見込まれるため、対策が急がれています。もちろん、外国人人材の受け入れについても、取り組んでいますが、焼け石に水の状態であることは、現場を見ていればよく分かります。
展示会場では、食器洗浄に関わるスタッフ人数を少なくできる機器や、配膳を一部担えるロボットなどが進化し、商品化に近づいていました。
厨房機器は高いから予算が出ないとおっしゃるホテルの方もいらっしゃいましたが、スタッフが足りなくて閉店する飲食店も増えてきているなかで、長期スパンで検討し、戦略的に少ない人数で運営ができる体制を整える方が安定した収益が得られます。賢いオーナーは、インバウンドなどで収益が上がってきている今、人を雇うより安くなることもある厨房機器を少しずつ増やしています。