フランス料理「アサヒナガストロノーム」をご紹介します。朝比奈シェフは、「シャトーレストラン ラ ターブル ドゥ ジョエル・ロブション」の元料理長 で、日本橋にお店をオープンして2年目。先月、パリで開催された第70回プロスペール・モンタニエ国際料理コンクールでは、こちらのお店で働いている安達晃一さんが優勝しました。(朝比奈シェフは同コンクール2013年の日本代表、パリでは3位だったので、師匠を超えてしまいましたが、朝日奈シェフの元で頑張るそうです。)
最近のフレンチはナチュラルな方向が増えていますが、キラキラと輝く宝石箱のようなお料理と、素晴らしいサーヴィスで、夢の様な時間を過ごすことができました。
日本とフランスの旬食材を使った伝統的なフランス料理なのですが、朝比奈シェフのお料理は都会的で洗練されていて、盛り付けの超絶技巧と完成度の高さが群を抜いています。食器、カトラリーは銀食器のフランストップブランド、クリストフル。植物模様の装飾が、ナイフのブレードやスプーンの裏側など細部にまで施され、テーブルが華やかでした。このミシュラン1つ星の極上ランチコース料理が1万円です。
お料理は春の食材を使ったシェフのおまかせで、様々な料理を少量多皿で味わえるコースです。
menu dégustation (メニュー デギュスタシオン)
シェフのおまかせで様々な料理を少量多皿で味わえるコースです。
「Notre tour d’Amuse-bouche」(アミューズブッシュ)
日本でいうと「つきだし」の意味、「アミューズブッシュ」は前菜の前に出てくる料理です。うっとり眺めたくなる一口サイズのアミューズは抜群に美味しくて、最初からとろけてしまいました。
Canelloni maison aux langoustines
ラングスティーヌのカネロニ(手長海老のパスタ)
Gaufrettes maison aux nllettes
ゴーフルではさんだリエット(ゴーフルとは、専用の型で作る凹凸模様の平たくて硬い菓子ですが、透けた葉の模様は、見たことのないレベルの美しさに驚くばかり。もちろんリエットも口の中でとろける美味しさ)
Mousse au foie gras
フォワグラムース(ダークチェリーのコーティングに金箔を載せた美しい冠のようなデザイン)
「Crabe」(蟹)
美しさ、美味しさ、細かな技の3拍子揃った完璧なお料理。
毛ガニと白インゲン、トマトのジュレが本当に絶妙で、クリームをパンですくって綺麗に全部頂きました。
「Asperge blanche」(ホワイトアスパラガス)
フランス人はホワイトアスパラガス(Asperge blanche)が大好きです。日本人がタケノコを食べるときと同じ感覚で、春になった喜びを感じる野菜です。缶詰のふにゃふにゃしたホワイトアスパラガスを想像する人が多いかもしれませんが、フランスでは、フレッシュなホワイトアスパラガスがサイズ別に並び、太い方がお値段は高くなります。
お皿の上の白いアスパラガスは、マダムが上品な黒レースの帽子を乗せたように見えました。タピオカのチュイルは、ミニチュア野菜とイクラで飾り、チュイルの下にはこっそり雲丹が隠れていて、トロッとした食感と、ホワイトアスパラガスの濃厚な旨味が相性抜群。ソースは蛍烏賊のクーリです。「クーリ」という言葉、耳慣れない方も多いと思います。どちらかといえば、「ピュレ」の方がよく聞きますね。どちらも食材を裏漉しして滑らかで少し濃度のある液体状にしたもので、「クーリ」の方が「ピュレ」よりさらっとした液体状です。
「Turbot」(ヒラメ)
ポワレとはフライパンの蒸し焼きです。ヒラメといえば、鯛と並ぶ白身魚の高級魚で、肉厚でした。ソースは定番の「ブールブラン」で、バター、エシャロット、白ワイン、レモンを使ったソースをベースにして、魚の出汁と、ヒラメの肝を加えて、旨味とコク、さらに酸味を出しています。
ズッキーニの花はイタリア料理ではフリットが定番ですが、味を邪魔せずに豪華に魅せるフレンチの技は、白身魚に薄く被せて(シミーズ)いました。とても手の込んだお料理です。
肉料理は、ヴァンデ県のウズラです。パサつきやすい白身の肉なので、キャベツを巻いて水分を補いながら調理する伝統的なフランス料理があります。さらに、合わせるのがフォアグラで、ウズラの香ばしい香りと、フォアグラがコクのある脂肪分がベストマッチでした。添えてあった鳥ソーセージは、ウズラの首の皮を使い、香ばしく仕上げていました。食材を無駄にしない技、これぞ本物の料理人です。ウズラの産地、フランスのヴァンデ県はパリの南東、大西洋に面してボルドー地方とブルターニュ地方の中間あたりです。湿地帯で家禽の生産が盛んな地域、有名なシャラン鴨の産地(シャランはヴァンデ県の街の名前)でもあります。アンブーレとは、キャベツを大量のバターと一緒に煮込んだ料理
「Avant Dessert」(アヴァンデセール)
直訳すると、デザートの前のデザート
和歌山県の「せとか」にグラニテをたっぷりかけて、美味しくいただきました。
シャーベットのようなスイーツ「グラニテ」はフランス料理のコースで必ず途中で出てきます。氷のみずみずしさとさわやかな風味で口の中をリセットさせ、その後の料理やデザートをおいしく食べてもらう狙いがあります。
「Vanille」(バニラ)
バニラとホワイトチョコレートのケーキにバニラミルクアイスを合わせて、ケーキは濃厚なので、アイスは卵不使用でさっぱりとした味でした。
「café au thé」(コーヒー 紅茶)
「Mignardises」(ミニャルディーズ)
ASAHINA Gastoronome (アサヒナガストロノーム)
住所:東京都中央区日本橋兜町1−4 日本橋兜町M-SQUARE 1F ビル
電話番号:03-5847-9600
定休日:水曜 (ランチ営業は金・土・日・祝のみ)
URL:https://asahinagastronome.com