さいたま市は人口160万人を超す大都市。水のきれいな川が多く、優良な農地であることから、古代から農地開発が行われ、江戸幕府が誕生してからは、食糧供給基地として大規模な新田開発や灌漑用水の工事が行われました。
私が畑を耕している「見沼田んぼ」は埼玉スタジアム2002のある東北自動車道浦和インターに近い大規模緑地空間で、大宮、さいたま新都心、浦和美園などの主要駅から2~3kmと近く、広さは1260ヘクタール。たんぼや畑、雑木林、小川や沼があり、キジやシラサギが空を舞い、畑を耕せばカブトムシや、カエル、ミミズのいる自然豊かなところです。
大都市圏ではどこも同じですが、少子高齢化の影響もあるので、農業従事者は毎年減少しています。比率は人口の1%を切っていて、高齢化も深刻です。ところが私が指導を受けている40代の農家さんのグループでは、毎年のように新しい若手生産者が増えています。また、多くの市民が体験農園に参加することで、農業に対する理解を深めたり、一人で様々な仕事をこなしてご苦労されている農家さんを励まし、収穫の最盛期にはお手伝いをすることもあります。
ちなみに都内では練馬区などで同じような取り組みが盛んに行われていますが、さいたま市栽培指導つき体験農園は現在3箇所です。
さいたま市 ホームページには詳しく書かれていますが、私の感想も含めてメリットをまとめました。ご興味のある料理人さん、フードビジネス関係者はお気軽にご連絡ください。忙しい農家さんに代わって、現地のご案内します。
指導付き体験農園のメリット(さいたま市)
1.農家さんの直接指導
苗や肥料、農具なども用意されているので、失敗が少なく、品質の高い野菜づくりが楽しめます。作物を作るだけではなく、畑は私たちの暮らしの中で防災機能、観光保全、景観創出といった様々な機能役割も担っていることを体験で学ぶこともできます。子供の地域社会勉強には最適です。
2.地元で作られている農作物や、旬を学べる
JAさいたま農作物直売所や、ヤオコー(浦和)にも産直野菜を届けている農家さんが指導者です。栽培指導を通じて、市内で生産されている様々な農作物の生産者さんを紹介してくださったり、特色、生産方法、美味しい旬の時期について、学ぶことができます。
3.地域交流・参加者交流
同じ作業をしながら、お互いに手伝ったり、たくさん採れた野菜を交換したりすることで、利用者間の交流の輪が広がります。また農作物のお裾分けをするようになり、近隣住民との会話が生まれるという効果もあります。土に触れて身体を動かすとリフレッシュでき、地域交流促進にもつながっています。