2021年1月7日からの緊急事態宣言で、営業時間を短縮するだけではなく、休業を宣言した店も増えてきました。私は新年会や賀詞交換会がほぼ全てキャンセル。さらに、緊急事態宣言がいつ解除になるか分からないため、2月末までのイベント企画についても、主催者へ連絡し、延期を促し、涙を呑んで感染拡大防止に努めています。
GO TOキャンペーンで一度は戻ったお客さまですが、今しばらくは我慢の時です。感染症のリスクが下がり、落ち着いたらお客さまは戻ってくるでしょう。今は焦ったり、腹を立てたり、ジタバタしても仕方がありませんね。2度目の緊急事態宣言は、ホテル・レストラン現場の人々も落ち着いています。
もう少し先の未来と思っていましたが、コロナの影響で、外食を自宅で楽しむことが一般的になり、お店で楽しむ料理、ファーストフードもUberEatsをはじめとしたデリバリー内食で、日常食の選択肢に加わりました。富士経済の外食産業市場見込みによると、2020年の外食産業市場は28兆5,965億円で、2019年比で、16.5%減となるようですが、「食」はテクノロジーの進化とともに、新しい形の非接触型テイクアウトやデリバリーが増え、様々なビジネスモデルが登場。水面下で大きな変化が起きていると感じています。
また、デジタル化によって観光と外食産業が近くなってきたのも、コロナのおかげかもしれません。
本来であれば観光地で消費されるはずの生鮮食料品はポケットマルシェ(EC産直サイト)でハッシュタグ「#新型コロナで困っています」と掲示され、農水省からの補助金が認められれば送料無料で消費者へ直接商品を届けられるようになりました。(2021年1月末まで)
観光に行きたいけれど、行かれない今、おうちで観光気分を楽しもうと、生産者とコミュニケーションをとりながら「おうちごはん」を楽しむ様子がSNSには溢れています。
生産者がECサイトで販売するという行為で儲けられるか?と聞かれたら、苦労の割にはそれほど儲かりません。とお答えしますが、私が農家さんを支援しながら、消費者と生産者のやりとりを眺めていると、毎月200名以上のお客様とサイト上でお話をしていて、延べ2000人を超えてきました。
リアルに店舗を持っていなくても、インターネット上の通行人達が、農家さんの商品を眺めて美味しそう!と思って、「道の駅」に立ち寄ったときのように、家族へのお土産や、自分へのご褒美フードとして、買い物します。
それがその地域へ行ってみたい。現地で食べてみたいという気持ちを喚起させ、種まきになっているのです。
人に会えない寂しさは、美味しい食で埋められることを、お客さまのメッセージから伝わってきます。そして、食べ物がつなぐ交流は、観光プロモーションとしても効果的だと実感しています。
とはいえ、2度目の緊急事態宣言。
国の予算が尽きてきて、送料無料キャンペーンは今月末で終了予定ですし、消費者も様々なECサイトを比較して、自分のお気に入りを探して見つけるようになりました。
私が支援している方々のショップは、そこそこ注目度は高く、消費者の目に留まりやすい位置をキープできたのですが、これから先はコミュニケーションの努力しないとお客さまは離れて行ってしまうでしょう。継続は力なり。と言いますが、顔の見えないお客さまとのコミュニケーションは、相手を思いやる文章力、写真の魅力が問われます。まだまだ試行錯誤の日々が続きます。