サラリーマンを退職したばかりの頃、時間に余裕ができたので、本格的な料理を自宅で作ってみたのですが、自分の思っている味にならない事にショックを受けました。調理道具を変えてみたり、シェフから習った手順を確認したり、試行錯誤をしたものの、味はイマイチ。。。しばらくチャレンジを繰り返した時に、近所のスーパーで購入した野菜では美味しさが足りないことに気付いたのです。
そこで、有機野菜宅配で購入したり、近所の生産者の直売所や、自分で畑を耕して収穫した野菜を使ってみたところ、ようやく納得の味に近づきました。
分かった!野菜選びが美味しさへの近道なんだ。
人気レストランへ行くと、生産者から直接、野菜や畜産物、魚介類を仕入れているシェフがいます。食材を厳選して、素材の味にこだわることが、料理の完成品の精度を上げ、感動を生み出すことができる事を知っていたものの、知っていると体験するとでは大違い。改めて料理の奥深さを実感しました。
しかし、こだわって野菜を作っている生産者から仕入れるのは、とても難しく、手間がかかります。
また、仕事でさまざまな生産地に伺い、こだわり野菜農家さんにお会いしていると、気難しい人もいらっしゃいます。そんな時は長期戦で対応するようにしています。小さなコミュニティで生活をされている生産者にとって、都会から突然訪問して来た人は、まるで宇宙人(笑)少し時間をかけて、お話をするように心掛けています。
心強い助っ人に頼る方法もあります。シェフ向け食材を調達している個人問屋さんが仲介をしてくれます。忙しい料理人が実際に生産者に会って話をして、直接仕入れさせて頂く交渉をするのは、とても難しいので、目利き力のある問屋さんが、シェフの料理へのこだわりも理解して、農家さんと直接交渉をしています。生産者との信頼があるからこそ、できることです。彼らも自分のこだわった野菜を売る相手を選んでいますので、ただ単純にお金を払えば良いという問題では無いのです。
しかし今回、私がプロデュースしている案件は、それ以上にハードルの高いオーダーで
【料理人「味坊」梁さん、自然農法にチャレンジして、自ら野菜を作る】
という夢を叶えるお手伝いです。
先日、「食べログ百名店(中国料理)」に2店舗ランキングした味坊の梁さん。3年前から、味坊農園で自ら畑を耕し、野菜を作るところから頑張っています。
しかし、梁さんとしては、憧れの自然農法にチャレンジしたいと相談がありました。
食材にこだわりたい料理人の気持ちを理解して、その夢を叶えることは、究極の美味しさ作ることにつながるので、ワクワクです♪単純に野菜を育てるだけではなく、自然農法にチャレンジするという目標は梁さんらしいと思いました。
同じ料理でも作る人によって、味が変わるように、野菜でも、同じタネを、隣の畑に撒いただけなのに、全然違う味の野菜ができたりします。だから、野菜をタネから育てて、肥料も厳選することで、自分のお皿をさらに美味しく、安心してお召し上がりいただけるものを作りたい。という梁さんの気持ちはよくわかります。
料理でも、農業でも、
ほんの少し塩を足したり、丁寧にタネを撒いたりすることで、
野菜の出来がぐんと良くなるのは、同じです。
早速、農業素人の料理人に対して、丁寧に指導してくださる方はいないか?
熱意を理解して、手を差し伸べてくださる先生はいないか?
心当たりのある数人へご連絡をさせていただき、相談をした結果
信頼できる方のご紹介で、茨城県で自然農法でさつまいもを育てている照沼勝浩さんにお会いすることができました。
照沼さんの自然農法は、科学分析をしながら、改良を重ねています。作られている「さつまいも」は硝酸塩が低く、抗酸化力の高いので、色は黄金色、焼き芋にすると、そのままフルーツを食べているみたいなトロリとした食感と、雑味が少なく、ペロリと完食してしまう抜群の美味しさがありました。
先日、梁さんと茨城県の照沼さん宅を訪問し、直接お話しする機会を設けて、つくばみらい市にある梁さんの畑も見ていただきました。
とても嬉しいことに、梁さんのこだわりを理解してアドバイスをしてくださいました。さぁ、新しいプロジェクトのスタートです。
さらに梁さんの畑から10分のところにはシモタファームの霜多さんへご挨拶に行こう!と誘っていただき、突然ご挨拶に伺ったにも関わらず、ホテルオークラで提供されているハーブティをご馳走になるという最高のおもてなしを受けてしまいました。使っているシモタファームのハーブで、ブレンドレシピはシェフと一緒に研究したそうです。香り豊かな美味しさで、身体の中からスーッと邪気が払われるようなスッキリ感がありました。
シモタファームは、茨城県取手市にある農場です。
霜多さんは、「消費者の健康」を根本に考え、肥料は野菜残渣や腐葉土等を利用して完熟堆肥を作り、土壌や作物等に有害物質が残留しないかを分析し、安全な野菜作りを実践しています。
こちらの野菜を使っているレストランは、セララバアドNARISAWA,AN DIなど、都内人気店が名前を連ねており、料理人さんの気持ちを理解して、野菜を育てている方でした。
新しいプロジェクトは茨城県つくばみらい市で始まっています。
料理人さんなど、梁さんの野菜作りにご興味のある方はお声がけください。ご案内します。
株式会社照沼 照沼勝浩さん
https://hoshiimo.co.jp/corporateinformation/
〒319-1113 茨城県那珂郡東海村照沼600
干しいもの産地、茨城県にて、さつまいも栽培・干しいも加工を県内最大規模で行っていて、2020年さつまいも生産者として日本一に選ばれました。土づくりから十数年、試行錯誤の末に農薬・化学肥料に頼らない栽培方法に辿り着きました。厳選した最高品質の干しいもである「謹製」はじめ、照沼勝一商店の商品は最高級のスイーツとして大人気です。
株式会社 M&Yシモタファーム 霜多増雄さん
茨城県取手市貝塚192
Tel.0297-78-8239
ご紹介頂いたのはマーケティングとデザイン性を融合させたWEBサイトを制作されている高貫修さん。茨城県、東京都の食と農のポータルサイトを作られています。こちらも応援、よろしくお願いします!
いばらき食と農のポータルサイト「茨城をたべよう」
https://www.ibaraki-shokusai.net/
とうきょうの恵み「TOKYO GROWN」