『英国風パブ』「HUB」太田社長インタビューは、立教大学3年山下佳也さんの記事です。
まずは、「HUB」という飲食店について簡単にご紹介します。
お客さんがそれぞれの楽しみ方ができるのが「HUB」の特徴です。お酒を飲みながら談笑するのはもちろん、店内のテレビでスポーツを見る人や、読書する人、待ち合わせの集合場所に利用する人もいます。
それぞれの楽しみ方ができる理由の1つに、会計方法があげられます。「キャッシュオンデリバリーシステム」は、お客さんが商品を買った際、その都度お金を払うシステムです。常に会計は済んでいるので、飲み会への途中参加、途中退出がしやすくなります。それぞれの都合に合わせて楽しむことができます。
このような飲食施設はイギリスで、パブと呼ばれ、イギリスで暮らす人々にとっては、無くてはならない存在です。数百年の歴史があり、イギリスの文化とも言えるパブを日本で味わえるのが、『英国風パブ「HUB」』です。
「HUB」の魅力や歴史を太田社長に伺いました。
イギリス文化を日本に取り入れようとしたきっかけ
ダイエーの子会社として創業したHUB。創業のきっかけは、ダイエーの創業者がイギリスに行った際、パブに心を惹かれて日本に取り入れようとしたことです。当時、日本で主流の居酒屋は会社の愚痴を言うなどネガティブな空間だったため、ポジティブでスタイリッシュにお酒を飲むイギリスのパブが魅力的に感じられたそうです。
しかし、初めのうちHUBは日本のお客さんにあまり受け入れられませんでした。理由は、居酒屋でのスタイルに慣れているお客さんにとって、お店の雰囲気や会計方法が合わなかったためです。席で注文し料理を運んでくれる、お会計は最後にまとめてやる、このような居酒屋スタイルに慣れている人にとって、自分で運びその都度会計するキャッシュオンデリバリーシステムが面倒に感じられました。
だんだん若い人たちの間で受け入れられ初めていった理由には、マクドナルドの普及も関係していました。マクドナルドの会計方法もキャッシュオンデリバリーであるため、マクドナルドが普及したことによって、その会計方法が説明しなくても伝わるようになりました。
新しいお店をオープンする際に意識すること
他の飲食店が多く賑わっているかどうかがポイントのようです。周りに他の飲食店があると、その副次的な利用がされます。例えば、待ち合わせや2次会の場所になることができます。ビール一杯から気軽に利用できる「HUB」はこのような利用方法も成立します。
また、英会話スクールが近くにあるかどうかも挙げられていました。英会話スクールの教師が来ることで、お店に外国人がいて雰囲気が作られます。生徒を連れて来てくれることもあるそうです。さらに、外国人のお客さんは店のサービスが悪くなったら忖度せずに来なくなる人も多く、外国人の方が来てくれるかどうかが、店のサービスが良いかどうかを判断するバロメータにもなります。
コロナ禍と経営理念
コロナ禍で従業員の不安が高まる中、太田社長は経営理念を言い続けたそうです。
HUBの経営理念は
”英国PUB文化を日本において広く普及させるため 英国風PUBを通じてお客様に感動を与える「感動文化創造事業」を展開する”
というもので、非常に具体的です。具体的であるため、そもそも英国風パブを日本でやることしかできない経営理念です。コロナ禍という非常事態でも経営理念は変わらず、英国風パブを普及させるための活動に絞っていました。コロナ禍で始まったキッチンカーは、売り上げを出すためというより、HUBが頑張っていることを伝えるメディアとしての役割が重要でした。海外では400年の歴史があり、もはや文化として根付いているパブがたった1度の危機で無くなるはずがなく、ここでブレてしまったらもったいないと考えられていたそうです。コロナ禍という非常事態を乗り越えつつあるこの状況、お店にはお客さんも戻って来ているようです。
リーズナブルな価格で多様な楽しみ方ができる飲食店としてイギリスで愛されるパブ。お酒を飲める人も飲めない人も一緒に楽しめる嬉しい場所です。今後「HUB」の活動によって英国風パブは日本でも根付いて行くこと間違いなしですね。是非1度お近くのHUBに行ってみてはいかがでしょうか。