7月某日、アスコット会100回記念、東京ステーションホテルで元オークラ根岸総料理長を囲んで美食会が行われました。感染者が増えておりましたので、少人数の常連メンバーで行われました。
アスコット会は日本ホテル、京王プラザホテルの総料理長を中心に20年以上行われている美食会です。現役の総料理長が先輩に食べて頂く料理なので、普段ホテルのコースメニューとは異なります。
フランス料理はテロワールはもちろん、社会的な要素もコースの中にどれだけ盛り込めるかも重要なポイントになってきています。今回も石原総料理長が作られたメニューには、季節感、地産地消、最新調理技術、おしゃれな盛り付け、社会的なトレンドまで、しっかり盛り込まれているフランス料理のコースでした。
私はホテル&ホスピタリティ衛生管理研究会の幹事をされている井部さんからお誘い頂き、アスコット会の記録係であり、私自身のフランス料理の勉強として、ブログに書かせていただいています。20回以上参加してきましたおかげで、他の飲食店へ行った時に、褒めるポイントや、足りない点がよく分かるようになりました。この貴重な食事会は、他には無い唯一無二なイベントです。
もし若い料理人さんがこのブログを読まれていたら、料理の世界は、見ているだけではダメです。最上級のものに触れて、食べて、体感を研ぎすまさなければ、自ら生み出せる料理のレベルは上がりません。一緒のテーブルに座る解説者の皆さまのご意見を聞きながら、美味しい料理とワインを楽しむ時間。毎回驚く感動もセットで、アスコット会はとても勉強になります。興味のある方はお声がけ下さいね。
メニューは石原雅弘総料理長の解説です。食材選びや、メニュー構成、調理のポイントも簡単に説明してくださいます。ワインは鈴木シェフソムリエが解説。
前菜:鮎のスモーク コンコンブルの豆乳ヨーグルト和えアネットの香り
前菜は一番最初に提供されるのでインパクトが大事です。7月、旬の鮎をスモークにして、苦味と香りの共演はお見事でした。きゅうりは「やさいバス」で🚌千葉県の生産者から届いたもの。フードロス削減のため、生産者から直接仕入れているそうです。日本ホテルが積極的に取り組んでいる社会貢献活動のストーリーもこの一皿に込められています。
蒸しアワビのソテ トリュフと唐とうもろこしのソース 肝のカダイフ焼
柔らかい鮑に、甘いとうもろこしのソースを合わせるのは斬新。誰でも素直に美味しいと言ってしまう食材の組み合わせはお見事でした。カダイフのパリッとした食感と肝の苦みが絶妙なアクセント。
こだわりトマトの冷製スープ 爽やかなレモン風味
小さめのカップに盛り付けられ、量もちょうど良く、串に刺さったグリーントマトがはちみつとレモンの香りがしました。フレッシュなトマトを使ったスープは濃厚さと甘さだけではなく、飲み終わった後の爽やかさが印象的でした。
三崎より直送 スズキのグリエ ラヴィゴットソース
ボリューミーに見えますが、野菜たっぷりのソースでさらっと食べられました。皮目をパリっと焼き、ふんわり白身のスズキに、ズッキーニが相性抜群。
北海道産仔羊肉(2種の味わい)
国産のラム肉を贅沢に。羊肉はジンギスカンソースが美味しい!赤ワイン、穂坂三之蔵メルロー&カベルネ2017年もとても良い相性でした。オージーラムのラムバサダーではありますが、円安が進んでいくこれからは、国産の羊肉と国産ワインの方が味も良く、価格的にも十分勝負できるところまで来ているのだと感じました。
夏のスペシャルデザートは桃のブラマンジェとメロンのショートケーキ
コーヒー
ワインは鈴木シェフソムリエが解説をしてくださいました。
アルブランカ クラレーザ2020年 山梨県甲州市 勝沼醸造
爽やかでエレガントなスタート
高畑ゾディアック ピノ・グリ2020年 山形県高畠町 高畠ワイナリー
鈴木ソムリエの秘蔵ワイン。日本のワイン、自分で買うより鈴木シェフソムリエに買ってもらう方が良いワインが手に入りそう。
穂坂三之蔵メルロー&カベルネ2017年 山梨県笛吹市 マルス山梨ワイナリー
日本もここまで美味しい羊に合うワインが作れるとは、驚きと感動でした!