オーガニックビレッジとは、有機農業の生産から消費まで一貫し、農業者のみならず事業者や地域内外の住民を巻き込んだ地域ぐるみの取組を進める市町村のことをいい、農林水産省としては、このような先進的なモデル地区を順次創出し、横展開を図っていく考えです。
「みどりの食料システム戦略」(農林水産省)では、2050年までに耕地面積に占める有機農業の取り組面積の割合を25%(100万ha)に拡大する計画です。
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/midori/
宮崎空港から海沿いを、南国らしいヤシの並木道を走り、約1時間。
宮崎県高鍋町は、黒木本店が酒造りをしている町としても有名です。
黒木本店は「百年の孤独」などの人気銘柄を手がける、明治18年創業の焼酎蔵です。
2000年頃の焼酎ブームを作った霧島酒造と黒木本店、どちらも立教卒の社長なのは偶然では無いように思います。お酒の香り、味と一緒に、テロワールや文化、企業理念などを共有し、感動を与える商品を作り出している企業です。
現在は、黒木敏之町長の息子さんが5代目社長です。
https://www.kurokihonten.co.jp/
黒木本店は自然循環農法で、酒造りをしています。
土地を耕し、さつまいもや大麦の種を蒔き、栽培から収穫まで
すべてをグループ会社で行っています。
さらに製造過程で生じる廃棄物は有機肥料や飼料も作り、地域に還元をしています。
黒木本店の焼酎造りは循環農法で美しく、完璧なモノづくりはお見事でした。
通常は見学ができない畑や酒蔵など、黒木町長のご案内で見せていただくことができました。
農業生産法人「株式会社蘇る大地の会」では、農大出身の鈴木さんが山に自生していたクレソンを使い、有機農法で栽培しています。
作業場の周辺は大麦で、1月は青い空と麦の新芽が美しいコントラスト。
焼酎用のさつまいもは収穫時期が終わってしまったので、干し芋用のさつまいもを試食。
こだわりの熟成で程よい甘さ。ちょっと高めの度数のお酒と合わせると美味しいそうです。農民も酒好きさんな会話で、嬉しかったです(笑)
加工場の周辺から、山の上の方まで車で移動しながら、約40haの広さがあるという焼酎の原材料を作っている場所を見せていただきました。
山の中腹には、黒木本店の有機肥料工場がありました。
蒸留の際に出る廃液は、緩効性有機質肥料として再生させ、農地の土づくりや原料農作物などの育成に使用します。地域で自然循環型サイクルがあるので、それ以上の規模では酒造りはしないとのこと。
自然の恵みを自然に還す。
20年も前から、SDGsなものづくりをされていて凄いの一言では済まないです。酒造りのブランディングについて、深く考えられていて勉強になりました。
高鍋町の人口は2万人弱ですが、私が宿泊したホテル四季亭から、2、3分の徒歩圏内に居酒屋、バーが何十軒あるのか?と思うほど多くて、ほとんどのお店に黒木本店の焼酎が置いてあるそうです。
ホテル四季亭
有機のキャベツ、白菜、いちご、クレソン、佐渡原ナス、山菜、平飼い養鶏場の地鶏、天然の牡蠣、あじ豚
OSUZU MOLTO、OSUZU GIN Kumquat(金柑)、百年の孤独
「食」+「酒」ご一緒してくださった皆さまの話が面白く、高鍋町にすっかりハマった私でした。
オーガニック食材と、その地域で作られた酒は、人と人を繋げ、その人生を豊かにする
オーガニニックビレッジの市町村を旅する「おいしい農泊」、ご縁に感謝して、また訪問したいと思っています!