7月末、祇園祭(後祭)で賑わう真夏の京都。
エースホテル京都と同じ「新風館内」にある「坂ノ途中」直営店「本と野菜OyOy」でカフェタイム。
この店は「坂ノ途中」が大切にしていることを、料理と空間で体験ができます。
「本と野菜OyOy」では、農産品や加工食品、本棚の料理本を眺めたり、美味しい料理を食べているだけで、頑張っている生産者の笑顔が目に浮かびます。
京都で暮らすように、この場所で食事をして、コーヒーを飲む、
仕事の合間の、私の密かな楽しみです。
店の入口にかけてあった看板に書かれていたのがこちら
100年先もつづく農業を。
Agriculture looking ahead 100yeas
まさに、私も同じスローガンで
日本全国の生産者を訪問しながら活動をしています。
しかし、現実は100年どころか、あと1年すら農業を持続できない生産者が多くいます。
先日、国立市谷保の70代のお米生産者Nさんが相続で田んぼを売ってしまいました。
東京都は地価が高い影響で、相続税がとても高く、
生産者が亡くなるたびに、数億円という巨額の相続税を支払わなければなりません。
農地を売る以外の選択肢がないので、どんどん農地が減っていくのです。
東京都は、3代繰り返すと、全ての農地は宅地になってしまう相続税という仕組み。
これは、サラリーマンが居場所の机やパソコンを奪われるということと同じです。
空き家が溢れているのに、なぜ新築の建売住宅を建てて儲けるビジネスがいまだに多いのか。農地を宅地にするくらいなら、課題になっている空き家を更地にして、新しい家を建てて欲しい。畑を宅地にするなら、生産者に負担させているのと同じくらい重い税金を購入者に対して負担させて欲しい。
生産者を守ることは、自分たちの生活を守ることなのです。
日本の自給率は37%、東京都は1%以下。
自国の食べ物を賄えない国は、今後大きなリスクを背負う可能性があります。
委託事業で、いくつかの都道府県で若い生産者の支援をしていますが、
東京都では、大きな壁を感じながら、日々仕事をしています。
生産者はとてもやる気があり、農業に誇りを持っています。
そして、次の世代も農業が続けられるように、工夫をしながら日々頑張っています。
どうぞ100年続けられますように、それを応援してくださる人が増えることを願っています。
店名:本と野菜OyOy
住所:京都市中京区場之町586-2 新風館1F
https://www.on-the-slope.com/corporate/projects/oyoy/