先日、中目黒にあるレストランReを訪問しました。ここで腕を振るう能島シェフは、1989年生まれの30代で、まだシェフになったばかりにもかかわらず、その才能と情熱は圧倒的です。ホテルでの経験を活かした安定感のある味わいと、フードロスを考慮した創意工夫が光る料理は、食べる人の心を惹きつけます。

例えば、人参の赤い部分をピューレにし、葉を素揚げして飾り、エディブルフラワーで飾った一皿。
香りや見た目も見事で、食材を無駄なく使い切る姿勢に感銘を受けました。地元の食材を上手に組み合わせて取り入れる等、サスティナブルは当たり前という30代らしい意識が感じられます。ペアリングは一皿ごとに2種類のお酒が提供され、どの組み合わせも楽しく、シェフお一人で作っているので少々待ち時間がありましたが、全く苦になりませんでした。
毛蟹 イクラ 人参のムース カカオニブのクランブル エディブルフラワー


レストランの雰囲気
レストランREは、目黒川の桜並木を眺められる場所にあり、都会の中にある緑豊かな場所で、洗練された空間でした。料理だけでなく居心地の良さも楽しめる場所で、こんなところで働きたいなと思わせる素敵なお店でした。能島シェフの手がける一皿一皿が目でも舌でも楽しめる芸術品のようで、お客さまはお誕生日など、特別な時間を楽しまれていました。
5月のメニュー
今回の訪問でいただいたコースは以下の通りです:
- 食前のハーブティ
- 鴨のハム 柑橘 葱
- ヤシオマス 味噌 塩サブレ
- ホッキ貝 ブレのサラダ あられ 出し殻 お茶のジュレ コキヤージュのフォーム
- 毛蟹 イクラ 東京産人参のムース カカオニブのクランブル エディブルフラワー
- 初鰹の藁焼き 新玉葱 フルーツトマト 土佐酢のジュレ
- 馬肉のコンソメ 熊本産筍とムースドポワソン海苔、トリュフとパルメザンの風味のフリット 木の芽の香り セロリ
- サワラのレア焼き ラディキオのマリネ 塩レモンのコンフィ 焦がしバターのソース 東京産の小松菜
- 蝦夷鹿 軽い炭火焼き 真面目なフォンドジビエを使った赤ワインとグリーンペッパーのソース 東京産の赤蕪 白茄子 人参
- 東京産 蕪のジェラート
- フォレノワール 胡麻のグラス キルシュのクリーム



















どの料理も印象的でしたが、特に「毛蟹とイクラを使用した一皿」が心に残っています。人参のムースの優しい甘みと、カカオニブのほろ苦さ、そしてエディブルフラワーの華やかさが絶妙なバランスで融合していました。苅田さんが選ぶビンテージのワインと日本酒、どちらも甘さ引き立つ組み合わせで、非常に面白かったです。また、「サワラのレア焼き」は東京産の小松菜ソテー、塩レモンのコンフィが鮮やかなハーモニーを生み、焦がしバターのソースが全体を引き締めていました。
デザートのフォレノワールは、女性シェフらしく華やかで、こんなフォレノワールは初めてでした。グレーのジェラートは胡麻の味です。日本の食材を使い、フランス料理の定番デザートを表現する力は本物です。
味や食感が複雑に重なり合うのにも関わらず、全体としてのまとまりがパーフェクトでした。
東京都の生産者とのつながり
能島シェフは、北海道や東京都など、生産者を訪ねて彼らの話に耳を傾け、その思いをしっかりと料理に反映させています。その姿勢が素晴らしく、30代という若さでここまで丁寧な取り組みができるシェフは希少です。まさに次の時代を担う逸材と言えるでしょう。
Resturant REでの食体験は、地元食材の魅力とシェフの技、そしてソムリエのマジックのようなマリアージュが融合した至福の時間でした。食材や料理に込められた思いを感じながら、感謝の気持ちでいっぱいになりました。生産者へ、この素晴らしいお料理の感動を届けたいと思います。
ぜひ皆さんも訪れてみてくださいね。
Resturant Re
〒153-0061 東京都目黒区中目黒1-10-23 リバーサイドテラス103
電話番号 03-5734-1214
営業時間
ランチ
[金〜日曜日]11:30~15:00(最終入店13:00)
ディナー
[水〜土曜日]18:00~23:00(最終入店21:00)
[日曜日]18:00〜22:00(最終入店20:00)
定休日
毎週月火(月曜日が祝日の場合は月曜日を営業して火水定休)