さいたま市の公立学校は、親の手伝いや料理という夏休みの課題が出ます。毎年少しずつレベルアップし、11年目の高校2年生の宿題は「1日主婦」。
朝食を作り、掃除、洗濯、アイロン掛けを済ませて、こんなに主婦業は大変なんだと実感させた後で、スーパーへ一緒に買い物へ。
思春期なので、私は黙って少し後ろをついて行くと…夕食の食材を自分で選び、カゴに入れて行きます。
すると、豚肉「3%値引き」とシールの張られた食材を手に取りました。
息子「今日使う食材なんだから、これでいいよね。安いし!」
私「そうね、売れ残ると食品ロスになるから、これにしましょ。」*食品ロスとは、まだ食べられるのに廃棄される食品のことです。
主婦には、「食品ロス」を減らす知恵があります。夏休みの宿題がきっかけでしたが、息子世代へ、毎日料理する人の心がけとして、なるべく賞味期限の近いものを購入することを教えることができました。
ヨーロッパでは、2014年を「ヨーロッパ反食品廃棄物年」と位置づけ(欧州議会)、2020年までに食品廃棄物 を半減させるための促進対策 を義務付け、積極的に取組んでいるそうです。
一方、日本では、食べられるのに廃棄される食品、いわゆる「食品ロス」は642万トン(※)。これは、一人当たりの食品ロスが1年間で24.6kg(試算)になるそうです。※農林水産省及び環境省「平成24年度推計」
さらに、家庭から出される生ゴミについては、約22%が未使用の食材というデータも!これは大問題です。
日本も近い将来、食品ロス削減に積極的に取り組むことになることでしょう。
官公庁の資料を読んでいて「食品ロス」というと、スーパーや、家庭での廃棄物が問題になっている様ですが、
生産者から消費者へ届けられる食材をパッケージするときにも、たくさんあります。つまり、生産地では野菜やお肉、お魚等の食材は、形や大きさが不揃いですが、スーパー等に出荷するために均一な野菜を選別しているので、サイズに合わないものは捨てられてしまいます。
自分で畑を耕していると、ナスもジャガイモも、一つの茎から様々な大きさの実がなりました。
でも、プロの生産者はサイズが揃うように、ハウス等で丁寧に、エネルギーをたくさん使って栽培し、収穫時期は慎重に計画を立てながら収穫を行っています。
サイズに合わないものは市場には出回りません。それ故か、とびきり美味しいものは畑にはありますが、スーパーで買うと平均的な味ばかり。その方が使いやすいかもしれませんが、最近、採れたての美味しいものを食べているので、物足りなく感じます。
そこで、提案!
消費者の私たちは、均一な商品を求めるのを辞めてみませんか?
そして旬の野菜を使うようにして、季節によって無い野菜や食材がある事を受け入れませんか?
今は、クックパッド等レシピ検索サイトで調べれば、今手に入る食材で美味しく料理する方法が検索できます。毎日料理している方なら、きっと大丈夫。
食材を購入している多くの方に、野菜の生育や旬を理解していただくことが、この国の食品ロスを減らす事に繫がりますし、太陽の恵を受けた美味しい野菜を食べられるようになると思うこの頃です。