この季節、食後にジューシーで甘いブドウは最高の贅沢です。さいたま市は梨やブルーベリーが有名ですが、ぶどう農家さんは11件あり7月下旬から旬を迎えています。
さいたま市の場合、消費者が近いので、美味しさにこだわり、直売中心で農業ビジネスを営んでいます。先日行われた石井葡萄園さんの勉強会と、ぶどう農家・守屋さんからお聞きした話は、フードビジネスコンサルタントとして、レストランの経営戦略と似ている興味深いお話と思いましたのでご紹介します。
・美味しさの追求と師弟関係
ワインは同じ品種でも、作り手、年代により、味が異なるように、フルーツとして食べる葡萄も、誰がどうやって作ったのかで味が変わります。
美味しい葡萄の遺伝子を求め、美味しい葡萄を作っている師匠から習い、美味しい苗木を譲り受けることができれば、美味しい葡萄を作れるチャンスが大きくなります。ただし、育て方もしっかり学ばないと、同じようには育ちません。また、少し離れたエリアの師匠に習い、近隣の競合と差別化も図っているようです。
ちなみに、石井さんは巨峰、シャインマスカット、キウイ、米、ブルーベリーを作っていて、守屋さんは低農薬のシャインマスカットと、数種類の梨を作っています。近隣で似たような果樹を作ってしまうと競合しますから、お互いに考えながら育てているようです。
・ぶどう以外の果樹も販売
葡萄農園に伺うと、多品種の梨やブルーベリーも並んでいます。種類がたくさんあると、つい色々買いたくなってしまうのが、消費者の心理。守屋さんの直売所では、梨5種類「若光」「喜水」「多摩」「寿新水」「夏しづく」が置かれていました。甘さ、シャキシャキ感のバランスが全然違うので、とても面白く「これが好き!」おしゃべりしながら、楽しく食べる事ができます。石井ぶどう園さんはブルーベリー狩りができるそうで、綺麗な青い粒を探して夢中になってしまいました。小さなお子さんと買いに行ったら楽しそうですね。
・温室、水撒き設備
最近の異常気象は、長雨、猛暑、台風など、農家にとっては悩みの種。この対策として、温室や、水撒き設備は欠かせません。日照りが続けば水をまき、早春に寒い日が続けば温室で加温します。しかし、高齢の農家は設備投資しない事があるそうで、味に大きな差を産みます。果樹農園さんで葡萄を購入する機会がありましたら、この設備があるかどうかぜひ確認してみてください。
・消費者とのコミュニケーション
巨峰といえば、黒くて大きな粒が特徴ですが、さいたまで育てると夜温が低くならないので、赤い粒になってしまいます。でも、味は悪くはありません。それを丁寧に説明して理解していただく事で、リピーターを増やしています。お中元の量が少なくなってはいるものの、贈答で送られた人からも、また今年も欲しいと言われる石井葡萄園さんの品質は素晴らしく。固定客を大切にする姿勢が安定したビジネスを守っていました。
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石井ぶどう園 さいたま市岩槻区掛249
048-757-4663
ぶどう農家 守屋一隆さん さいたま市見沼区片柳2−1
080-4386-9872
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