12月華やかなイルミネーションで彩られた街を歩くだけでも、楽しい気分になりますね。日増しに寒くなるこの頃、コートを羽織って夜の銀座、表参道、新宿、赤坂など、お世話になった方々との懇親会や、勉強会で伺うことができて、忙しいながらも充実した時間を過ごしています。
母校ではチャペルで奉仕活動をしておりました。クリスマスは、神が、み子イエス・キリストをこの世に遣わし、私たち一人一人に希望を与えて下さった出来事です。だからこそイエス様の生誕を祝う12/24夜、家族と過ごすクリスマスイブの夜は一年で一番大切な時間です。我が家では、地元の名店でクリスマスケーキを予約して購入し、家族一緒に過ごします。一方、フランス・プロヴァンスでは、クリスマスイブに食べるその地域独特の習慣があるそうです。
今日はフランス・プロバンスの家族、大切な人と過ごす甘いイブのお菓子をご紹介しましましょう。
南仏は温暖な気候で果物が手に入りやすいということもあり、新鮮な果物、ドライフルーツ、ナッツ類、ポンプ・ア・ルイルという南仏名物のフーガスを甘くした タイプの丸いパンなどを食べます。イエスとその 12人の弟子達、計13人だったことから用意する果物やデザートは13種類を用意するという習慣が、20世紀になってから定着したそうです。
またこのお菓子、可愛らしく、美味しいだけではありません。必要な栄養素が揃っていることから、子供たちの頭が良くなりますように、一年が健康に過ごせますようにと選ばれたお菓子なのかもしれないそうです。
先日、原宿にある松嶋啓介さんのお店で、フランス・ニースから持ち帰ってきてくださったこの13種類のお菓子を食べることができました。香りや食感の異なる様々なお菓子は、とても美味しかったので、皆様にご紹介しますね。
KEISUKE MATSUSHIMA FRANCE
13Dessert
ポンプ・ア・リュイル(Pompe à l'huile)
オレンジとオリーブオイルを使ったブリオッシュ。手でちぎって Vin cuit(ヴァン・キュイ)というぶどう果汁を加熱処理して作るワインにつけて食べます。
キャトル・マンディアン(Quatre mendiants)
ドライフルーツや、ナッツ(干しイチジク、レーズン、アーモンド、ヘーゼルナッツ、くるみなど)
白ヌガーと黒ヌガー(Nougat blanc, nougat noir)
はちみつ、アーモンド、ピスタチオが入っています。白ヌガーは卵白も入っていて、少し柔らかい歯触り。 黒スガーは、はちみつがキャラメル状になるまで加熱するので、少し硬めの歯触りです。
デーツ(Dattes)
ドライのナツメヤシ
その他:バリエーションがあるもの
フレッシュフルーツ(ぶどう、りんご、洋ナシ、冬メロン、みかんなど)、チョコレート、マルメロ(カリンに似たフルーツ)のゼリー、地域のお菓子
今回、地域のお菓子として、画家 ポール・セザンヌの故郷としても知られる、エクス・アン・プロヴァンスで誕生した郷土菓子「カリソン・デクス」。“幸せを呼ぶお菓子” を食べさせていただきました。
誕生のきっかけは、ルネ王がジャンヌ王妃との結婚式で、美人なのに笑顔の少ない王妃に笑ってもらいたいと願い、王様が作らせたそうです。
繊細で見た目にも可愛いお菓子を口にして、笑顔の少なかった王妃に笑みがこぼれたそうで、このエピソードから、美しさ、慶び、将来への希望をイメージするお菓子として、婚礼やクリスマス、誕生日などの祝いごとの贈り物として使われるそうです。また、45%~50%がアーモンドでできていて、良質なタンパク質がリッチに含まれる栄養価の高いお菓子です。
日本のお菓子屋さんでも、見かけることがあります。目の形をしている特徴的なお菓子なので、機会がありましたら、ぜひお召し上がりくださいね。