コロナショックで、多くの方が初めてのECショッピングをご自宅から初体験されたと思います。経済産業省の国内電子商取引市場規模調査*によると、日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)は平成30年18.0兆円、BtoB-EC(企業間電子商取引)市場規模は344.2兆円に達しています。
そして、コロナ自粛期間にテレビCMが頻繁に行われていたフリマアプリは、CtoC-ECの類型と呼ばれ、市場規模6,392億円(前年4,835億円、前年比32.2%増)に急増しており、フリマアプリが初めて登場した2012年から僅か6年で巨大市場が形成されているそうです。
CtoC-ECは今まで消費者と直接接点を持たなかった一次産品の生産者が、ダイレクトに消費者の声を聞く事ができるマーケティングツールとしても秀逸と聞き、さらに詳しくリサーチしました。
正直、多くの出品者は「手間がかかる割には儲からない」のですが、コロナで消費者動向が大きく変化した現時点の市場の反応がダイレクトにわかる事や、投稿で商品を紹介し、自分自身がこだわっていることをアピールすると、閲覧数や販売数という数字で評価を感じる事ができます。マーケティングについて知識のある方でしたら、売る側もなかなか面白いです。
もし身近な生産者で応援したい人がいたら、一緒にECにチャレンジされてみてはいかがでしょうか?生産者さんは地方の高齢者が多く、ECに弱いのですが、娘さんやお孫さんが手伝って出品しているケースが多いそうです。
さて、今回は農畜産物、水産物の人気サイト「ポケットマルシェ」で仕組みをご紹介したいと思います。ユーザーは13万人、登録生産者は4月末頃で2350名、急激に増加中です。
彼らの目的は、生産者が直接、一次産業の現場のことを食べ手へ伝えるために運営しているECサイトなので、生産者目線ということ。
2016年9月スタートし、サービスを始めて4年目。一般的なフリマアプリと違って、安売りを望んでいないこと。生産者から直接買いたいお客様と仕事をしたいというコンセプトなので、とても真面目な生産者が多いです。売れている生産者は月1000万円の売り上げがあるそうで、生産者としても、ECはJA、業務用に次ぐ販路として積極的に取り組みたいと考えています。
ポケットマルシェの出品は簡単で、スマホで写真を撮って、説明を書いて即出品できます。もちろん値段も自分で決められます。
生産者側でとても良いと思った仕組みは、ヤマト運輸とデータ連携していて、送り状自動作成し、その都度、生産者へ「伝票」を届けてくれるサービスです。ポケットマルシェ送料は消費者が負担する価格に含まれているので、住んでいる地域から遠い生産者から購入すると自動的に価格が高くなります。売る側、買う側は送料をいちいち調べなくても、インターネット上で自動的に反映される価格を見るだけで取引が完了します。売れたら、ポケットマルシェから、生産者の銀行口座へ手数料を差し引いて支払われます。支払いが無いのに、商品は送れない仕組みなので、個人取引のリスクはありません。食べた人のごちそうさまコメントが届き、マルシェ上に公開されます。もちろんコメントを返すこともできます。
ということで、「ポケットマルシェ」(通称ポケマル)で販売をスタートした
北海道新篠津村のオーガニック農家「ファーム田中屋」米、お蕎麦、よろしくお願いします!
米(5kg〜) https://poke-m.com/products/54161
生蕎麦(2人前〜) https://poke-m.com/products/60791
約4000商品が並んでいるサイトは、検索が簡単で、生産者と消費者のコメントを見ているだけでも、美味しそうでワクワクします。
飲食店の方でも購入できるので、ポケットマルシェでお気に入りの生産者を見つけて、コミュニケーションを取り、その食材で作ったメニューを提案してはいかがでしょうか?
こだわりの生産者からバトンを受けた料理人が、心を込めて作った料理を食べてみたいです!
*数字データについて、詳しくは下記をご参照ください。
「経済産業省 電子商取引に関する市場調査の結果取りまとめ」https://www.meti.go.jp/press/2019/05/20190516002/20190516002.html