10/1から緊急事態宣言が解除になり、ようやく旅ができるようになりました。
早速、瀬戸内海の島々と江戸時代の面影が残る鞆の浦で仕事をしてきました。新幹線に乗るのは1年10ヶ月ぶり、インバウンドがまだ来ていない街で、旅慣れた日本人を幸せな気分にさせる美味しい料理と人の温かさがたくさんありました。
・新鮮だからこそ、素材のおいしさを楽しめる「季節料理衣笠」
行商を営んでいた際、売り切れなかった新鮮な魚を無駄にしないために、地元住民に懐石料理を提供し始めたことから始まった「季節料理 衣笠」。その料理人で、代表取締役の衣笠善人様にインタビューさせていただきました。
「季節料理 衣笠」の最大の魅力は、旬の新鮮な海の幸を楽しめることです。私たちが取材に訪れた際は、「こちの湯引き」や「太刀魚のお造り」などがラインナップされていました。どれも新鮮で、だからこそ素材のおいしさを活かした、あまり手を加えすぎない料理を楽しむことができます。
衣笠様には季節ごとの旬の海の幸もお聞きしました。しかし、今ははっきりとした四季がなくなってきており、冬は「さより」を干していたが少なくなっているそうです。新鮮な魚を毎日のように扱っている方からこのようなお話をお聞きすることで、温暖化が食の面でも身近になってきているということを感じる機会となりました。
新鮮な瀬戸内の海の幸をだけでなく、郷土料理の「うずみ」なども楽しめる「季節料理 衣笠」。鞆の浦に訪れた際は、ぜひこちらで地域素材を活かした料理をお楽しみください。
店名:季節料理 衣笠
住所:広島県福山市鞆町鞆150-12
電話番号:084-983-5330
URL:https://www.facebook.com/kinugasa.tomo/
・「保命酒」をご存知ですか?
瀬戸内海のほぼ中央に位置する港町「鞆の浦」で、江戸時代から造られている薬味を漬け込んだ焼酎の「保名酒(ほうめいしゅ)」。
海の交通の要所で、かつては北前船の寄港地としても栄えていたこの町で、明治時代の創業から現在まで、蒸米から麹造りまでほぼ手作業で醸造を行っている「入江豊三郎本店」の代表取締役社長 入江里彩様にインタビューさせていただきました。
「入江豊三郎本店」では、長い歴史のある保名酒のみの販売にとどまらず、保名酒の醸造時に作られる「味醂」や、保名酒の原酒を絞る時にできる粕を味付けした「保名酒の花」、保名酒を使用した炭酸飲料の「鞆の浦サイダー」など、数々の商品を製造、販売しておられます。
また、鞆の浦にある蔵では、保名酒の歴史が学べる資料や保名酒徳利の展示がされています。
さらに、本店では、鞆の浦での観光がもっと楽しめるよう着物のレンタルや、ドリンク・アイスクリームが楽しめるイートインスペース、フォトスペースを併設した施設にリニューアルするなど、新たな取り組みに多く挑戦されています。
このような新たな取り組みを多くされているのは、「お客様の顔がパッと晴れるような、ピリッとしたものをお届けしたい」という想いがあるからだと入江様は答えてくださいました。時代の、お客様のニーズに合ったものを提供できるよう、常に柔軟に変化していこうとしておられている1つに、保名酒に使用されている「薬草」の変化があったそうです。他の保名酒の蔵では、原料にマムシなどの動物性のものも使用しているそうですが、入江豊三郎本店では、全て「植物性」のものを使用し、香りを楽しみながら飲んでいただけるようにしているそうです。このような変化や向上心こそが、長く愛される理由なのではないかと感じました。
インタビューをしている中で、訪れるお客様に癒され、元気をもらっていると話す入江様の姿が印象に残っています。伝統のある保名酒の味を守りつつ、時代のニーズに合うよう変化を続ける「入江豊三郎本店」。11月には本店も、皆が集まれる公園のような施設に生まれ変わるそうなので、歴史ある保名酒を味わいながら、のんびり過ごせる「入江豊三郎本店」に訪れてみてください!
店名:保命酒 入江豊三郎本店
住所:広島県福山市鞆町鞆600-1
電話番号:084-982-2013
URL:http://www.iriehonten.jp/