立教大学経営学部インターンシップ粟村さんとロイヤルホールディングス 菊地唯夫会長インタビュー取材をさせていただきました。
ホテルのような料理を気軽に楽しめるファミリーレストランとして人気の「ロイヤルホスト」をはじめ、「天丼てんや」、「シズラー」、そして飛行機の機内食、リッチモンドホテルなど、幅広い事業展開をしているロイヤルホールディングスの代表取締役会長の菊地唯夫さまに、現在、そして今後の外食産業についてのお話を伺いました。
インタビューをしていく中で、外食産業について考える際のキーワードとして「アートとサイエンス」「社会的価値と経済活動」の軸を持つことが印象に残りました。
まず、「アートとサイエンス」です。「アート」とは、お客様のニーズを満たす部分、惹きつけられるような魅力の部分を担う要素、「サイエンス」とは、ビジネスとして成り立たせるための仕組み、システムの部分を担う要素として捉えることができます。例えば、外食産業の中でも、「サイエンス」が強いのがファストフードです。システムを創り出すことで、グローバルに展開することも可能になります。そして「アート」が強いのが、レストランです。どのようなサービスを行うことでお客様に喜んでもらえるかが重要になります。「アート」だけでは儲からない、「サイエンス」だけでは魅力的でない、つまり、この2つのバランスをとり続けることが外食業をしていく中で必要なこととなっているのです。そんなバランスが必要な外食産業ですが、最近のトレンドとして、「アートが強くなっている」そうです。「無限」ではない資源で、如何に魅力的なものを創造できるかが重視されているからではないかと仰っていました。
資本主義は無限を前提に作られています。マーケットは無限に広がり、食料は無限、環境は無限...そして拡張していくと、みんなが幸せになる。という前提です。しかし、食糧は無限では無いし、環境も、働く人も無限ではない。今、有限が問われています。今、資本主義はこのままでいいのか?という疑問が突きつけられています。
もうひとつのキーワード、「社会的価値と経済活動」は、今後外食産業が2030年に向け、持続的に成立していくために両立すべきものとして挙げることができます。両立は簡単なことではありませんが、社会的に意義のあることでも企業の利益にならないと、「持続的」という部分で本末転倒になってしまいます。
ロイヤルホールディングスでは、その2つを両立できる取り組みの1つとして、「食品ロス」問題に注目しています。「食品ロスの削減」は、温室効果ガスの削減量でトップ3に入る対策だそうです。また、廃棄される食品は企業の中で数億円の雑損となっています。つまり、「食品ロス」を減らすことは、気候変動の抑制だけでなく、企業の利益、安定性にもつながる取り組みになっているのです。持続的にできるものを、集中して取り組むことが重要だと学ぶことができました。
また、菊地会長から、こちらの本をご推薦いただきました。
https://www.yamakei.co.jp/products/2820310430.html
今回のインタビューを通して、現在、そして未来の外食産業を見ていく、考えていく上での新たな軸を知り、「アートとサイエンス」「社会的価値と経済活動」のような二律背反なものを、どうバランスよく両立していけるかが大切なことであると学ぶことができました。
おいしさにこだわる「ロイヤルホスト」は、現在、植物肉を使ったメニューを提供していませんが、年々植物肉の製造技術が向上していることを実感されていて、イスラエルでは1枚の肉状が売られているそうです。将来はオージービーフステーキの下に、植物肉ステーキがメニューに入ってるかもしれないですね。
インタビュー前に購入させていただいたロイヤルデリのカレーやハンバーグなど、どれも驚くほどレストランの味でした。皆さんもぜひお試しください!
ロイヤルホールディングス株式会社