フードビジネスプロデューサーとして活動を始めて、早くも10年が経とうとしています。
現在、弊社の活動は、行政からの生産者支援業務が約半分、ボランティア活動が約25%、そして北海道で取り組んでいる農泊事業が約25%という割合で進めています。生産者や料理人の皆さまを支援し、日々コミュニケーションを重ねながら、次世代の育成や現場の声に耳を傾け、一緒に課題解決に取り組んでいます。
今年も大学生のインターン生が弊社で学びながら、都市農業の生産者、地方の大規模生産者、そして被災地の生産者と共に、新たな可能性を模索していきます。立教大学、宮城大学、東京農業大学の学生が集っていて、若いアイデアや、最新のAI技術を使いこなす能力、そして大学で学んでいる観光、飲食、農業の知識と、実際に現場に起こっていることを考えながら、自分たちでできることを考えていきます。
生産者や料理人の方々は個性豊かで、話を聞くのが尽きません。彼らの強みや課題を一緒に整理し、知恵を絞りながら最善の方法を模索するのが私の役割です。彼らの持つノウハウや情熱にはいつも感銘を受けていますが、それだけでは事業として成功するのは難しいこともあります。技術力に加え、経営能力やバランス感覚を身につける必要があると感じています。
特に今年は、資材高騰や円安の影響で厳しい状況にある生産者の声がいくつか寄せられました。十勝清水町のオーガニック生産者から、「昨年度は赤字で、今年の春はやる気が起きなかった」と嘆く声を聞くと、胸が痛みます。農林水産省の統計データによると、米生産者の多くが赤字であるという現実も、この状況を物語っています。
それでも、次の年に向けて準備を進める生産者たちの姿に、心から尊敬と感謝の気持ちを抱いています。彼らが安定した環境で生産を続けられるよう、少しでも状況を改善したいと願っています。そして、このままでは、私たちの食卓を支える人々がいなくなってしまうという危機感を抱きながら活動を続けています。
今年も、より多くの方が生産者の営みに関心を持ち、彼らの努力が報われる社会の実現に向けて力を尽くしてまいります。共により良い未来を築きましょう。