2025年最後のアスコット会は、東京駅直結・120m上空に位置する
Dining & Bar TENQOO(ダイニング&バー テンクウ) にて開催されました。
こだわりの食材を、本格フレンチの技法で最大限に輝かせるのは、
TENQOO 料理長・小杉 聡シェフ。
アスコット会としては初めてとなる TENQOOのフルコース。
アスコット会の皆さまとご一緒に、2025年最後の記憶に残る美食の時間が始まりました。

小杉シェフとアスコット会のご縁

小杉シェフがTENQOOの料理長に就任されて、約3年。
実はアスコット会は、ブランルージュ時代に石原雅弘シェフの裏方として会を支えてくださっていたそうです。
そんなご縁が巡り、今回こうして小杉シェフのフルコースを味わえることに、
アスコット会らしい「シェフの技の継承」を堪能することができました。

ポメリーのシャンパンで乾杯

Menu & Impression
■ 八幡平サーモン
— キノコの小さなフィナンシェを添えて —

小杉シェフ自ら現地を視察された 八幡平サーモン。
赤身が美しく、刺身でも美味しい鱒を、ビーツの赤いソースとレモンで爽やかに。
八幡平は、日本名水百選「金沢清水」の湧き水が流れる地域。
清らかな水を流しっぱなしで育て、配合飼料も長年研究されているそうです。
▶︎ 生産者情報
https://hachimantai.shop/makers/shimizugawa-yosonjyo/
■ 海幸(鮑・タラバガニ・ウニ)
— 百合根と豆乳のムース —

百合根と豆乳のムースが、豪華な海の幸をやさしく包み込み、
和出汁の泡とエディブルフラワーが華やかさを添えます。
透明感のある深皿に盛られた海の幸が、
まるで宝石のようにキラキラと輝いていました。
■ フォワグラとリードヴォー
— トリュフとともに —


フランス料理のクラシック高級食材、
フォワグラとリードヴォー の贅沢な合わせ技。
ポワレで外は香ばしく、中はジューシーに。
濃厚なポム・ピューレとトリュフが年末らしい華やかさを演出します。
四角く美しいパイを立体的に仕立て、
ロマネスコとオレンジカリフラワーがモダンで愛らしい一皿でした。
■ 平目と九条ネギ

三崎から漁師さん直送の平目。
「良い魚は市場を通さず、直接ホテルが買い付ける」
という言葉に、日本ホテル鶴さんの仕入れに対するこだわりの強さを感じます。
温暖化による漁獲の変化も、
シェフが漁師さんと直接話すからこそ見えてくる現実。
八幡平の九条ネギとポワロを使った
鮮やかなグリーンソースが印象的でした。
■ 仔羊と黒にんにく

オーストラリア産仔羊のセル(Selle)
腰から尻にかけての鞍下肉で、きめ細かく柔らかい最高級部位です。ラムバサダー石川も驚くほど、シルキーな羊肉でした。
八幡平の黒にんにくをファルスに使い、端材はレンズ豆(ランティーユ)とともに添えて。
野菜を無駄なく使い切る
日本ホテルらしいフードロス削減の姿勢が、この一皿にも表れていました。
ワインがつなぐ、人の物語

TENQOOマネージャーでソムリエの渡辺祐司さんと平川ワイナリー平川敦雄さんのご縁で、平川ワイナリーの白ワインを料理とともに。
■ 北海道・平川ワイナリー(余市)

2015年に北海道余市町で設立された平川ワイナリーは、区画・タンクごとに醸造法を変える多彩な造りが魅力。
2022年には第二醸造所も完成し、未来へ向けた挑戦が続いています。
▶︎
https://hirakawawinery.jp/
https://www.instagram.com/hirakawawinery/
実は30数年前、恵比寿のウェスティンホテル最上階「Victor’s」で、
平川敦雄さんと渡辺祐司さんは同じ職場にいらしたそうです。
「シベリア鉄道でヨーロッパへ行く」
そんな夢を語り、有名ワイナリーで修行を重ね、余市にワイナリーを開設された平川さん。
人のつながりがなければ出会えない味。
改めて、感謝の気持ちが湧いてきます。
■ チリワイン
エミリアーナ・ヴィンヤーズ「コヤム」
7品種ブレンド(シラー、カルメネール主体)。
有機栽培・自然派、エコセール認証を目指すワイナリー。
チリ最大、世界最大級のオーガニックワイナリーが生み出す、
濃厚で奥行きのあるプレミアム赤ワインでした。
■ デザートの時間


ともこさん、お誕生日おめでとうございます!

・苺とピスタチオのお口直し
・フルーツたっぷりのバースデーケーキ

・ブルボンバニラとラ・フランス
マダガスカル産ブルボンバニラのムースに、
キャラメル、ホワイトチョコレート、ラ・フランスが重なる、雪のように美しいデザート。
・プレミアムコーヒー「天空のコロンビア」
・プティフール(フランボワーズのマカロン、フィナンシェ)

プティフールは、
食べきれない方はMottecoの箱に入れてお持ち帰り。
最後まで心遣いが行き届いていました。


終わりに
アスコット会に参加して、15年近くなります。
ホテルシェフの先輩、後輩の伝統と継承から生み出される美しいフランス料理、こだわりのワイン、漁師・生産者の物語、そしてご一緒してくださるアスコット会の皆さまとの楽しい会話。
すべてが重なり合い、
2025年を締めくくるにふさわしいアスコット会 となりました。
また来年も楽しい時間をご一緒しましょう!
2025.12.29
