今月の専門料理で龍吟の山本さんが料理屋さんに来るお客さんを「美味しいもの食べたい病」を抱えた方々で、僕はその求めに答えて、お客様の心を確実に満たして帰っていただくために存在している。
とお話をされていました。
私はまさに「美味しいものを食べたい病」
さらに「料理人のテクニックを知りたい病」、「楽しい会話をしたい病」、「美味しいお酒を飲みたい病」など、症状の多い客なのは間違いないです。
・・・レストラン関係者の皆様、いつも本当にありがとうございます。
先日「フォレ・ノワール」というデザートが東京、軽井沢のフレンチ両方で出てきました。
冬のこの季節にぴったりなデザートです。
料理の写真だけ見ていると、東京のフォレノワールが斬新なデザインで、軽井沢は定番ですが、どちらもその場の雰囲気にぴったりで、コース料理の最後に出てきたとき、幸せな満足感に包まれました。
料理は季節に合わせて定番のメニューがあります。そしてやっぱり毎年、いただいているそのメニューを食べたいと思ってしまうのは四季を楽しむ日本人ならではなのかもしれません。
そして、意味でお客の予想を超えたお皿が出てくるのでワクワク感のある東京フレンチ。
フォレ・ノワール(黒い森)は、陽の当たる雪の上には可愛らしく野ウサギが走り回っている姿や、サクランボの形をしたショコラがとびきりお大きく、思わず笑みが溢れてしまいました。
一方、軽井沢では、ライトアップされた白樺の木をイメージしたような「フォレ・ノワール」、まさにその美しい景色を切り取ったかのような静かな輝きがありました。
スポンジの断面カットに歪みがなく、茶・白・赤の綺麗な層で、雪をイメージた白いホイップクリーム。
親しい方と一緒に食べる、穏やかな気持ちにさせてくれる贅沢な時間の軽井沢のケーキでした。
どちらもフルコースの後に出てくるデザートなのですが、考え抜かれたオリジナリティと、極限まで丁寧に作られている技術力の高さに感動してしまいました。もちろん完食です!
Fôret noire
Avec glace à la pistache et kirsch
東京のフレンチは、キルシュを効かせたピスタチオのグラス
チョコレートはディスクで立体的に。
「 Fôret noire (フォレ・ノワール)」は「黒い森」という意味のフランス語ですが、ドイツ南西部の「黒い森」と呼ばれる森林地帯の有名なケーキ「シュヴァルツヴェルダーキルシュトルテ」から発展したケーキと言われています。ドイツの森林地帯はフランス・アルザスの都市ストラスブールからでも車で1時間くらいの近さなのです。
雪に見立てた生クリームの上に、落ち葉に見立てた削ったチョコレート(コポー)が飾られています。
ドイツ南西部の「Schwarzwälder(シュヴァルツベルダー)」特産品のさくらんぼを飾るのが定番で、スポンジにもキルシュ(さくらんぼのブランデー)の風味が効いています。
軽井沢のフォレ・ノワールは正統派。
ココアのスポンジ生地に泡立てた生クリームをはさんだケーキで、スポンジ生地にはキルシュ、表面には削ったチョコレートとさくらんぼを飾っています。
キルシュ Kirsch はさくらんぼをつかったリキュールで、月夜に照らされた赤い枝をイメージしているように見えます。