「ポケットマルシェ」10/29の週刊ランキングで、私がご支援している生産者さんが1位になりました!生産者から直接購入できるは現在20万人以上が使っている人気ECサイトで、コロナでまさかの「売り上げゼロ」から、手探りのECサイト販売支援をスタートし、様々な作戦を並行で実施中してきましたが、一つ皆様にお伝えできるプチ成功事例ができたことで、生産者さんも私も自信が持てました。アドバイスを頂いた関係者の皆様に御礼申し上げます。
半年前の4月、飲食店はほとんどが休業で、業務用食材を扱っている生産者は大打撃となりました。長期戦になりそうだと感じたので、新販路開拓に向けて自宅で様々な方法を考えました。
5月、ポケットマルシェという販路が使えるかもしれないと思い、手持ちの生産者さんの写真と商品写真、そして想いが伝わる商品説明と、キャッチコピーを考えて登録を支援しました。最初は知人、友人でポツポツと売れました。その後、6月からは農水省の補助金で「送料無料」対象となり、生産者さんの配送が間に合わないほど、爆発的に売れはじめました。
農家さんが忙しくなかったら、もっと売れるのですが、稲刈りと麦の種まきで、販売数は上限ギリギリです。購入してくださっている方は、3割程度がリピーターさんで、6回以上購入してくださっている人も出てきました。
しかし誤解が無いように申し上げておきます。このサイトに商品を置いておけば「売れる」と思ったら大間違いです!
実は5つの商品を掲示しているのですが、大量に売れているのは1商品だけです。ポケットマルシェ は自分が欲しい商品を検索して、比較することができるので、ユーザー(消費者)は容量、写真の見栄え、生産者の想いなど、画面から伝わってくることで容赦無く判断します。
「百姓は100のスキルがないとできない商売なんだ!」と私の指導をしてくださる生産者さんからよく言われていますが、ポケットマルシェ で売れない商品・売れない人は他の店に持っていっても売れないと思うので、テストマーケティングにはぴったりの場所かもしれません。
生産者側に求められるスキルは、ライバル商品と価格や商品内容を比較して、戦略的に売るためのキャッチコピー作りや価格設定などのマーケティング力、美しい田園風景や生産者さんの笑顔などのプレゼンテーション能力、そして購入してくださった方からのごちそうさま投稿に対して、フレンドリーな返信ができるコミュニケーション力が試される場です。
一応、素人でも簡単と言われていますが、目安として2年くらいマーケティングを勉強したことがあり、10年くらい顧客対応の経験がある方で、自分の商品の良さをお客さまにきちんと説明ができ、美味しそうと言われる写真が撮影できれば、売れる商品が掲載できると思います。
また、飲食店さんも同じですが、ファン作りは密なコミュニケーションが大事で、そこには魅力的なデザイン力や、ちょっとしたサプライズのファンサービス力も問われます。コロナの影響で、応援購買が増え、直売サイトは大人気。段ボール箱に野菜を詰めて、そこに手書きで生産者からメッセージが来ると、とても喜んでくれます。こんなちょっとした気持ちの込め方や、クレーム時など瞬時の判断力は学んでおくと、役に立ちます。
また、売り場を選ぶ事も大事です。生産者さんの商品が1番高値で、美味しいと言って食べてくださる方のいる場所を探して営業支援したり、環境の変化に合わせて売り場を考えています。今回はいくつかのサイトを比較して、生産者さんと相性の良いポケットマルシェ を選びましたが、似たようなサイトはたくさんあります。百貨店より、ECサイトの方が個性がありますので、どの売り場を選ぶかを考えるのはとても大切な事です。相性が悪いと、全く反応が無いので、とても寂しいです。。。
1位になった生産者さんは、ポケットマルシェ の人気のおかげで、様々な別の専門通販サイトからお問い合わせがきているそうです。やはり、多くの業界関係者はポケットマルシェ の人気生産者へアプローチをしています。
ポケットマルシェ などのEC直販はどうしても手間がかかりすぎる事と、売上高の割にはファンとのコミュニケーションに時間がかかりすぎるので、もう一段上のステップ2の実現に向けて、仕込み中です。手間なく大量に販売をしたい生産者側のニーズと、人気のある商品を販売したい小売業との駆け引きがスタートしています。
ちなみにポケットマルシェ は顧客とのメッセージ対応は1件ずつしか回答ができません。月100万円程度の売り上げがトップになるような仕組みのためです。1件1000円程度の商品の場合、1000件ものお客様に1件ずつ対応するのはとても面倒、まとめて返信ができないシステムはとても使いにくいのです。とはいえ、一向に改善しようとしないポケットマルシェは、JAなど農業を取り巻く様々な業界関係者のビジネスを阻害しないように、それ以上売れる生産者は離れるような仕組みにしているのだと思われます。
北海道の生産者は大規模農業のため、ポケットマルシェの位置付けは、本業が危うくなったときの生命維持装置的な副業ではありましたが、直接生産者とユーザーが会話できるので、中小規模の小売店より、生産者のダイレクトEC販売の方が商品が売れる事もあるのだと気づかせてくれました。
首都圏では蕎麦屋さん、うどん屋さんの廃業が増えていると聞いています。影響で、国産小麦、蕎麦生産者も困っています。どうか皆様、国産の蕎麦やうどんを食べて応援してください。よろしくお願いします!