ホスピタリティマネジメント講座を受講中です。先日、渋谷の宮下パークを見学してきました。株式会社三井不動産ホテルマネジメントの新ブランドホテルです。
渋谷駅からの喧騒を抜けて宮下公園側の入口から入ると、窓際の椅子にカジュアルな服装で足を組んで座っている人、ノートパソコンでオンラインミーティングをしているスーツ姿の人、女性ふたりの観光客、ノマドワーカー、様々な人が自分の時間を楽しんでいました。
渋谷は10代、20代の若い人が集まる場所で、年配層は居心地の悪い店が多いのですが、「やさしいつながり」というコンセプトの通り、50代の私もこの場所に癒され、時間を過ごしたいと思う空間や、広く落ち着いた雰囲気がありました。
かつての宮下公演は、幼い頃に私が毎日のように遊んだ公園でした。東京って、こうやってどんどん思い出の場所を塗り替えていってしまうのが残念ですが、ダークな時期もありましたので、渋谷が綺麗な街になるのは嬉しいことです。
新時代のホテル仕様、非接触型のチェンクインは年配の方にとって不安に思うこともありますが、その不安を解消できるような丁寧な接客のホスピタリティ。観光産業の人手不足は深刻なので、数年でこのスタイルは一般化するのでしょう。顔認証ができるなんて、驚きました。
一方で、接点機会が減るため、FBが重要というコメントが印象的でした。宿泊特化型の宿命とも言える「また行きたい」と思わせるのはFBが重要なウェイトを占めていて、パートナー企業との関係性もまた勉強になりました。ホテルのFBは自社でやるか、アウトソーシングをするか、そのパートナー選びが難しいのですが、東京の飲食店チェーンの中でも、サスティナブルな料理を提供し、人気のウェルカムグループがフードを担当。コンサバティブな印象の強い三井グループとしては苦手と思われる個性的な若年ターゲットから年配層まで幅広く取り込み、ホテルの魅力はFBパートナーが作り出していて、協業の成功例と感じました。
客室内の内装はコンクリート素材を生かしたグレー壁面と家具の暖かなウッドの質感で、上質で自由な雰囲気。窓に「Hi !TOKO!」の文字。渋谷という海外からも人気の街で、東京らしい景色を切り取る楽しさにワクワクしました。
ホテルというのは人が集う場所であり、街を活気付ける装置でもあります。原宿と渋谷の間にあり、17階の部屋からの眺めは、東京で長く生活している私も見たことのない新宿の美しい高層ビル群が見えました。立地は素晴らしいのですが、それに甘んじることなく、泊まりたいと思わせる癒しの空間作り、ちょっとした事が魅力につながることが分かり、勉強になりました。