くわいは大きく長い芽が出ているので、「おめでたい」「子孫繁栄」「健康で立身出世する」に結びつき、縁起物としてお正月料理や慶事に欠かせない食材です。
さいたま市の収穫期は11月下旬から12月で、生産量も限られているため、お正月の高級食材として出荷されます。
さいたま市のくわい栽培の歴史は古く、江戸中期に綾瀬川流域の湿田地帯で始まった伝統野菜です。1786(天明6)年、関東地方で大水害が起こって稲作が壊滅的被害を受けた時、くわいが高値で売れたおかげで農家が救われたと伝えられています。戦中、戦後にかけて一時的に生産が途絶えたものの、その後回復し、昭和30~40年には作付け面積が最大規模に、その後は徐々に生産者が減少しています。
収穫した後も手間のかかるのが「くわい」です。独特の青色を際立たせるための、収穫直前の渋抜き作業や、芽を傷つけないような丁寧な収穫作業。色、形状ともに良好なくわいを栽培、出荷できるよう努力を重ねています。
12月、若谷真人さんの収穫作業をお手伝いをさせていただき、飲食店や料理教室の先生へお送りしました。そして、2023年元旦は家族の幸せを願い、我が家のお節料理にも入れました。
もう7年もお手伝いしているのですが、翌日は腰痛に悩まされます。生産者は3週間くらい休みなく作業をされるので、本当にすごいです。私が生産者支援をするきっかけを作ってくださった若谷真人さんのご家族の皆様には感謝しかありません。