煮切り&クックチルでアルコール分を飛ばし、旨味をギュッと食材にしみ込ませましょう。
実は「煮切り」って知っているけど、実際の調理となると面倒でやっていない方も多いのでは?
まぐろの漬け丼や、和え物、煮物で使いますが、私もそうでした。
でも、ずいぶん前のお話になりますが、フードビジネスの仕事をし始めたばかりのころ、帝国ホテルのT総料理長とお仕事をご一緒する機会がありました。
同僚は皆、恐れ多くて総料理長のお相手をしません。
私としてはぜひお話してみたいな〜と思いましたので、勇気を出して、休憩時間(2時間)お話の相手をすることにしました。
ところが意外にも…気さくでお話上手なT総料理長の口からは、ご家庭でもお料理を作られているとか、スーパーで売られているものの選び方、普通のコンロで美味しい火加減の方法など、とても丁寧に説明してくださいました。
そして、そのとき決して忘れてはダメと言われたのが、お酒・みりんの「煮切り」を必ずするようにと言われた事。
例えば、鮪の漬け丼なら
酒 大さじ1、みりん 大さじ1を鍋で煮詰めてアルコール分を飛ばし、旨味を凝縮します。ここに醤油 大さじ3を加えて、鮪を浸けて、30分冷蔵庫で冷やすと、ゆっくり味が鮪にしみて美味しい漬け丼の出来上がり。
肉じゃがでも、ついつい食材のいれてから、煮切っていないお酒やみりんをドボドボといれていましたが、これはNG。
お酒や、みりんはアルコールを飛ばしてから、必ず加える事が美味しさの秘訣です。
また、食材に味を浸透させるには、冷やす過程が必要です。
肉じゃがも、加熱したら、必ず冷却行程をいれて、味をしみ込ませます。
業務用で大量に調理するなら、ブラストチラーを使う事もオススメします。
クックチルは病院などで良く用いられる調理方法ですが、実は煮物等の味を良くする効果もありクックサーブより美味しくできますよ。
また、事前加熱調理&冷却保存をしておけば、お客さまのオーダーがあったときにすぐに盛りつけられますので、お待たせする時間を少なく、調理ができます。
レストランのシェフだけではなく、お家シェフの皆さんも、
煮切りと、クックチル。ぜひお試しくださいね。