ホテルや学校給食などの衛生管理マネージャーが集う勉強会で
「ある施設に行ったら、手洗い場にうがい薬が置いてあり、新しい感染症予防の方法について、情報収集をされていないことを実感した」
という報告がありました。
うがい薬といえば、風邪やインフルエンザ予防で当たり前と思っていたのですが、何がいけないのでしょうか?とお聞きしたところ
昨年頃から、厚生労働省や政府公報オンラインなどでは、インフルエンザ予防の方法として「うがい」の記載が無くなったそうです。
インフルエンザ予防の方法
インフルエンザウイルスは、口やのど、鼻の粘膜表面にとりついてから、20~30分くらいで粘膜細胞内に侵入します。ということは、20~30分おきに「うがい」をしないと、飛び込んできたウイルスの侵入をブロックすることはできません。
もちろん、うがいは粘膜に付着したウイルスを減らすことができるため、しないよりは良いものです。
しかし、殺菌剤入りのうがい薬などで頻繁にうがいを行うと、粘膜にいる善玉菌まで殺してしまうことになり、本来持っている抵抗力を弱めてしまうことになるのでよくないそうで、うがいをするなら、「水」が良いそうです。
「うがい」より「こまめな水分補給」がおすすめ
うがいではなく、こまめな水分補給をして、口の中に入ってきたウイルスを胃に流し込んだ方が良いという指導に変更しましょう。
20分おきに「うがい」をすることはできませんが、この間隔で水を飲むことならできますよね。
水分を摂ることは、インフルエンザに対する抵抗力を高める上でも大切。
鼻や気道の粘膜の表面には、「線毛」という小さな毛がびっしりと敷き詰められていて、この線毛が小刻みに動くことで、粘液が流れてウイルスや雑菌を咳やたんとして排出します。
しかし、体内の水分量が減ると、線毛がうまく働かないために排出力が低下して、ウイルスや雑菌が体内に入りやすくなってしまうため、水分補給をしっかりする必要があるのです。
20~30分おきに、少量ずつ、水分をこまめに摂ること。それが現時点では、「うがい」を上回るインフルエンザの予防法のようです。
フードビジネスに関わる方の場合は、インフルエンザ以外でも、様々な菌や感染症予防の必要性があるため、
水石けん、消毒剤、そしてアルコール洗剤を使った、こまめな手洗いを推奨してください。