2019年2つ星に昇格「Restaurant David Toutain」 (ダビッド トゥタン)
パリ在住の方に聞いた話では、人気がありすぎて予約は本当に難しいレストラン「ダビッド・トゥタン」は、エッフェル塔に近い左岸にあります。
こちらのシェフの経歴を説明すれば、このレストランの人気の秘密が少しお分かり頂けるかもしれません。お店のホームページから、経歴を抜粋してご紹介します。
ダビッド・トゥタンシェフは20歳の時、幸運なことに、パリのミシュラン3つ星レストラン、アルページュ(L'Arpège)で働く機会を得ます。そして、わずか1年でスーシェフに。そこで3年働いた後、さらに高みを目指し、オテル・バルザックの中にある三つ星レストランピエール・ガニエール(Pierre Gagnaire)、続いて同じく3つ星のランブロワジー(L’Ambroisie)で働きます。どちらも常に新鮮な野菜を仕入れ、斬新にアレンジするシェフの元で、技術を磨いて行きました。そして、さらに他の料理に立ち向かって行くため、彼はスペイン・バスクの名店ムガリッツ(Mugaritz)に行き、その後はニューヨーク、日本をはじめ世界各国で経験を重ね、2013年12月パリにお店をオープンさせました。
2015年に初めてミシュラン1つ星を獲得し、今年2つ星に昇格。お店が狭いことと、カジュアルであることから、3つ星になることは無いと思いますが、食材の味を大切にした料理ばかりで、野菜や魚介類、肉料理、どれもしっかりと素材感を感じます。
カジュアルでナチュラルな盛り付け、飾り方、絶妙な組み合わせなど、ワクワク感を最後まで持続させる演出と、軽やかで華やかなフレンチに酔いしれた夜でした。
フレンチは胃に負担がかかると思っている方が多いと思いますが、今パリで流行っているお店のフレンチは、いくら食べても胃にもたれないどころか、元気になってしまうお料理で、美食家が通いたくなる理由がわかりました。
食材の選び方や調理方法に和食のエッセンスがあり、ハーブの使い方には薬膳を感じました。トマトや柑橘類の酸味と旨味が感じるお料理が多く、日本人にはとても馴染みがある味です。星付きのフレンチは魚介類を多く使っている店が増えているそうです。肉類はお皿の上にちょこんと載せられていて、とても少なく、美食家の好みが肉類から魚介類へシフトしているのを感じました。
とはいえ、日常フランス人が食べるものとしては、ビーフステーキやフレンチフライ、ラム肉、鴨のコンフィなどが大人気で、こちらも美味しいお店をいくつか回ってきたので、改めてご報告しますね。
Summer 2019 「ダビッド トゥタン」
コースはお任せの2種類で、今回はお安い方の170€(高い方は250€)を選びました。グラスでシャンパン、ワインの赤、白、エスプレッソを飲んで、チップを入れると合計250€/人でした。
まず花の香りをまとった青いオシボリが出てきて、手で食べられるフィンガーフードが8種類。何もメニューを聞かれないまま、次々と出てきます。
With FIngertips… (手で食べられるチップス)
Beans(豆類)
・Lovage(ロベージ・ハーブ・茎をセロリのように食べる)
・Herb hogweed(ハーブ・ホグウィード)
・Sea fennel(ハーブ・シーフェンネル)
Beetroot-Pickles onions(ビーツ、ピクルス、玉ねぎ)
Paris Mushroom-Peanut(パリのキノコとピーナッツ)
Oyster-Shallot-Raspbery (牡蠣、エシャロット、ラズベリー)
さらに続けて、メニューには映画「カサブランカ」名曲のタイトル?
As Time Goes by…
Caviar-Chickpeas-Nut(キャビア、ひよこ豆、ナッツ)
Tomato(トマト)
・Marjoram(マジョラム・ハーブ)
・Basil(バジル)
・Hogweed (ホグウィード)
Brioche ーSalty Butter(ブリオッシュ 塩バター)
Zucchini-Peach-Fregola(ズッキーニ、桃、フレグラ:サルデーニャのパスタの一種で粒状)
メニューに入っていないのですが、2品追加されていました。
・牛肉のタルタル(トマトとナッツを一緒にタルタルに)
・ゆで卵(濃厚なマヨネーズの下にとろとろのゆで卵)
Langoustine-Queen of the Meadows-Swiss Chard(手長海老、スイスチャード)
Foccacia-Douglas Pine(ベイマツのフォカッチャ)
Cod-Fir-Ceps Mushrooms(鱈とセップ茸)
Lobster-Juniper-Grapefruit(ロブスター、セイヨウネズ:ジンの香り、グレープフルーツ)
Eel-Black sesame(うなぎと黒ごまペースト)
Meat-Girolles-Apricot(鴨肉、ジロール茸、アプリコット)
デザートは可愛らしい2品。カシスの赤ソースは酸味がとても効いていて、食べ終わる頃に出される甘いスフレとの相性が抜群でした。
Instantaneously T…
Azelia-Banana-Passion fruit(アゼリアチョコ、バナナ、パッションフルーツ)
Black currant-Purple Basil(カシス、紫バジル)
Mignardises(ミニャルディーズ)
エスプレッソのカップは和風です。
そして、最後にメニューがシェフのサイン付きで手渡されました。このメニューもシンプルながら美しく、素敵な旅の思い出になりました。
お店のURL : https://www.davidtoutain.com/
Facebook公式ページに写真付きで紹介しています。